月額976円(税込)のもとをとる
吉野千明マインドがショートしかけていた年度末の3月。1999年7月~9月期にフジテレビ系で放映されたドラマ『恋愛結婚の法則』を観た。FODプレミアムに課金して。
大手ビール会社に勤める吉野千明になる前のまだまだ若い32歳の春子ことキョンキョンが演じる中嶋朝子に、入社以来10年間勤務してきた消費者苦情センターから営業部への異動の辞令が出る。慣れない仕事に空回りして失敗続き、忙しすぎて誰も新入りの朝子にかまっていられない。無視されたり嫌味を言われたり、とメンタル弱々のわたしだったらもう膝を抱えておいおい泣いてしまうような厳しい環境に苦戦しながらも、失礼すぎる年下の教育係・宇都宮くんをビンタしたり戦闘服のスーツを新調したりしてたくましく生きる千明、じゃなくて春子、でもなくて朝子にほれぼれ。幼い娘とともに朝子の家に居候をする朝子の兄の妻であり朝子の親友でもある千明(まさかの千明かぶり。ややこしや~。)を演じるのは小林聡美さん。キョンキョン × 小林聡美さんの組み合わせはわたしの大好物だ。朝からそうめんを食べるシーンをとてもいいなと思った。25年も前のドラマなのに、ちっとも古い感じがしなかった。いや、西田ひかるさんが出てきたあたりでさすがに時代を感じる部分もあったけれども、今見ても存分に笑って泣けるエンタメだった。吉野千明マインドの補充という目的もすっかり達成されて大満足。
「いや吉野千明マインドってなんだよ」(お気持ちよくわかります)
せっかくFODプレミアムに課金したからには他のドラマも視聴せねばなるまいと、1ヶ月の間に過去のフジテレビドラマを次々に観た。見漁った。最近すっかり忘れていたけれども、テレビドラマ界においてフジテレビが無双だった時代が確かにあったのだ。『カバチタレ!』が観たいなと思って探してみたけれども見つけられなかったので「誰が何をしたんだろう」と思いながら、他の、観たことはある気がするけれど内容までは思い出せないタイトルのドラマをいくつか見た。
で、誠に勝手ながら、「過去のフジテレビ名作ドラマ~こんな重いのやってたの?部門~」の1位と2位を決めた。
1位『それでも、生きてゆく』
2位『記憶』
連続ドラマでこれらを放映していたなんてという驚き。当時リアルタイムで視聴していた人たちのメンタルが心配になるくらいに1話ごとの展開と重みがすごい。毎回が映画クオリティー。初回からラストまでずっとひりひりしっぱなし。先の読めない展開に(たぶん一度は見たはずなのにすっかり忘れていた。)一気見必至。時間が溶ける。
ドラマに入り込みすぎて『記憶』に登場するおちゃらけキャラの小杉がしょうもない「こぼけ」をかますたびに「え?」と興ざめしてしまった。俳優さんに罪はないのにね。「こぼけ」がスパイスになるケースもあるのだろうけれども、『記憶』の中の小杉については「すべってんな」「つまんないな」「目障りだな」「また出た」「いい加減にしてくれ」(ひどい)となって、やらされている俳優さんが気の毒になってしまった。そんなひっかかりポイントがあっても「過去のフジテレビ名作ドラマ ひりひり部門」の2位に挙げられるくらいの名作ドラマだったということで、ご理解のほど、伏してお願い申し上げます。