第二次世界大戦時の一般庶民の生活背景がかなりリアルで表現されていた。 ドイツ国民がナチ党に投票し、政権をとったのちヒトラーの思想が徐々に広まっていく様子、そしてユダヤ人を排斥し、国民全員が監視し合う社会へ。 ヒトラーが欧州を征服し歓喜する民衆、そこから連合国に反撃されてベルリンが焼け野原にされて、どん底に苦しむ民衆。 ドイツの行く末がこの一冊に濃縮されていたように思う。 主人公は17歳のドイツ人の少女だ。 私がつい最近読んだ「同志少女よ、敵を撃て」ではソ連人の狙撃兵の10代
オルタネートとは高校生限定のSNSのこと。 身分証明は生徒手帳の写真添付で送信するらしい。 有効期限は卒業するまでで、中退するとその時点でログインできなくなるらしい。どうやって判断してるんだろう。分からない オルタネートは物語内では高校生限定ということで安全性が評価され、全国の高校生の間で普及されているが、アカウント名も本名でしかも顔写真付きらしい。 日本人としては避けたいSNSの形態なのにそこまで普及するのかという疑問点が生まれた。 しかも物語ではラインのようなものが普
久々に温かい小説を読んだ気がする。 最近読んだ小説は殺人事件や、性被害にあうものだったり、悲しいものが多かった。 つくづく思うのだが、男女関係が頻繁に出てくる小説はやはり醜いトラブルが多い。 逆に恋愛を主としない小説は比較的平和なものが多い。 ただし、ミステリー殺人事件を除く。しかし、殺人の動機でさえ恋愛感情だったり夫婦や家庭関係がトラブルになっているものが多いのだから、 やはり恋愛は残念ながら「幸」よりも「不幸」の割合が多いと思わざるおえない。 ネットが発達して、世界中の人
ユカリさんと環さん…トリックに騙されました。 今後は登場人物の漢字の別の読み方も意識してみることにします 主人公は医者の卵で将来有望で家族も薬剤師志望の妹、週6働く母と優秀な家系には優秀な子供が宿るんだなと 創作物なので家族の遺伝は考慮してないけど、自然とこうなることが多いよね。 どうしようもない親の不手際を繰り返す子供とかね
久々に衝撃を受けた小説を読んだ 「多様性」とは何かということを改めて考えさせられた 結局今の「多様性の享受」は多数派の人によって裁定されるにすぎない 彼らの想像を超える「多様性」が「異物」と認識されたとき排除される対象に様変わりする 所彼、彼らの理解の及ぶ少数派の人間だけが社会から保護されるだけだ 多様性が強調される社会からも排除された少数派はどう生きていけば良いのか それが今回の物語の鍵になる 少数派の人間にも幾つのパターンがあると再認識した 社会から理解されずとも詮
小説の主人公は高校で暮らす白い犬「コーシロー」です。 白い犬は青春を生きている彼らを卒業の季節に見送っていきます。 章ごとに高校3年生の彼らが主人公になるのですが、毎年個性豊かな卒業生たちを見送っていくシーンは切なくなります。 次のぺージをめくると新しい高校3年生が主人公になります。 これもまた切なくなります。 もう前のページで主人公だった高校生は卒業していなくなっているんですから。 これはコーシローと同じ気持ちですね。 犬の寿命は15年ほどと言われています。 当然、コー
森絵都さんの小説 テーマは妄想が大好きな青年と、思春期の中学生の物語。 万引きの中学生を救った青年と結びつくところから物語が始まる。 救ったというのは語弊がありますね。 万引き犯なのに逃しただけなので。 妄想癖というよりも統合失調症なんですけどね、彼。 病院に行くように周りが説得していたけど、なかなか行かないので状況が悪化していきます。 よくある話ですね。 そこで青年から救ってもらった少年少女が次は彼を助ける番になるのですが、これはまだ難しい。 精神障害なので、根性論では
楽園のカンヴァスで有名な原田マハさんの小説。 イギリスの陶器家「リーチ先生」が西洋と日本の芸術の架け橋となる物語。 日本に惚れたリーチ先生が来日することからすべてが始まる。 今回は「陶芸」がテーマ。 陶芸って中国が本場ってイメージがあるけど、それは東洋の話で西洋でも芸術として存在しているんですね。 面白いのが西洋と日本の陶器のイメージが対称的ってこと。 日本の陶器は地味で「陰」の雰囲気があり、その中に一筋の光が差し込む情景の深さがある。 西洋の陶器は「陽」の雰囲気。太陽の光
このタイトルの意味、読むまで分からなかったです。 どうやら52ヘルツというのは生物には聞き取れない音域らしく、 助けを求めても誰にもその声が届かないという悲しさを表現したものらしいです。 そして、今回も恋愛や毒親、そして浮気により望まれずに生まれてしまった子供が焦点になる物語です。 これ、なんなんでしょうね。 もちろんこれはフィクションです。現実とは関係ありません。 しかし、現実ではこのような悲劇がたくさん生まれています。 結婚しても子供を幸せにする覚悟がなければ、絶対産ん
やっと最新刊を読めました。 本当に世界観、ストーリー展開全てが素晴らしいですね。 最新刊では家臣がクーデターを起こし、本物の王を退け、偽の王として君臨します。 偽の王を倒し、本物の王を首都に導くことが今作の目的です。 物語の主人公は本物の王の家臣になります。 現実世界ではその時点で王朝が滅び、クーデターを起こした人物が王として君臨できるわけです。 しかし、十二国記では「天」という場所からの公認がないと本物の王になれないんですよね。 そこが面白いところです。 本物の王と
PS5とFF16を購入し、ただいまエンディングを迎えました。 本当に素晴らしい出来だったと思います。 思い出補正もありますが、私の思い出であるFF6とFF10が二大巨頭として君臨しています。 これらを超える作品は今後FFシリーズには表れないだろうと思ってました。 しかし、現れました。 満足度としては、FF10に次ぐ面白さでした。 私はFF3~FF12(11を除く)を既プレイです。 特にFF全盛期であるFF5までをプレイ済みの方には特に楽しめるのではないしょうか。 クリスタル
十二国記の最新刊まで近づいてきました。 ようやくここまで来たかって感じです。 他国の王と麒麟を助ける物語です。 そもそもこの世界では他国に干渉することはあまりないらしいですね。 理由はこの十二国記を支配する天帝の絶対的なルールというものがあり、それに背くと王と麒麟は死んでしまうらしいです。 だから、他国に攻めて戦争になることは絶対にないらしいです。 それは現実世界からすると羨ましい限りですね。 他国から攻められる心配がないってことは、防衛費も浮きますしその分福祉にお金が回せ
これも十二国記シリーズですが、世界が現代の日本なので、この一巻だけ異質ですね。 十二国記の導入はこの小説から入っても問題ないという意見もありますね。 このストーリーから入った読者からは、一般的なホラー小説として物語を読み進めていくことでしょう。 そして、現代日本で起こった怪異事件の謎が一番気になるポイントでしょう。 しかし、十二国記シリーズを知っている読者から見たら、日本こそが異世界であり、あっちの世界が故郷であると知っています。 私は日本に住む人たちが異端人の悪者として認
十二国記、本当に素晴らしい作品ですね。 今回は ・風の万里、黎明の空 ・丕緒の鳥 を読みました。 風の万里、黎明の空は正当な続編となる話です。 王になった主人公、陽子と二人の女の子が物語の主軸になります。 二人の女の子は王である陽子がこの荒廃した国を救ってくれると信じ、 また失望したりします。 現代みたいにネットがないため、庶民は王がどのような人物なのか する機会がほぼないんです。 そのため二人の女の子は王である陽子がどのような人物であるか想像上で判断し、希望または憎しみを
面白くて一気読みしちゃいました。 スクールカーストの最低辺の女の子が、特殊能力を持ってしまい 最上位層のグループの生徒たちを殺害するところから物語は始まる。 私もスクールカースト最底辺の人間だったので彼女の動機は少し分かります。 流石に殺したくなるほど憎しみを覚えたことはないですが、それはクラスガチャが大きく外れなかったからでしょう。 彼女はクラスで浮いていましたが、いじめにあっていたわけでもないのにあそこまで憎しみを覚えることが出来るのか? 仮に私があのクラスの一員だっ
名作中の名作ですよね 今回は 「月の影 影の海」 「風の海 迷宮の岸」 「東の海神 西の滄海」 を読みました。 面白すぎてページをめくる手が止まらないですね。 ゲームでも小説でも、膨大な世界地図があって国ごとに焦点を当てて物語を描いていく作品が大好きなんです。 ゲームだと原神や軌跡シリーズがそれに該当しますね。 次はどの国の物語なんだろう?王や麒麟はどんな人物なんだろう? 国は栄えているのか?治世は何百年続いているのか?ほかの国との関係は? とか考えるだけでワクワクしますね