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共感とは違う読書体験
くどうれいんさんの、「うたうおばけ」を読んだ。
以前から少し気になっていたのだが、
文庫版を見つけて、手に取りやすかったのもあり購入した。
エッセイを読んで、共感するところは全体的にそこまでなかったように思う。
男の子の幼なじみがいたり
恋人に振られて辛い思いをしたり
友達と家で手料理とお酒を楽しんだり
そういう経験は、私にはあんまりない。
薄い感じの言葉で言うなら、
「リア充」なんだろうなぁー
といった感情を持った。
けれども、共感できなかったから
この本が面白くなかったわけではない。
言葉の使い方とか、目のつけどころ、
温かでユニークな周りの人々
そういうところに惹かれた。
私が生きてる日々とは違うからこそ、
他人の目を借りて世界を見るような読書体験だった。
普段ネットを見る時は、自分と似た考えや境遇の人の書いた文章を読むことが多い。
検索を自分でしている限り、自分とは全然違う思考回路を持った人の考えには
ほとんど出会うことはないだろう。
なので、この読書は私にとって新鮮に感じられた。
共感して、仲間がいるような気持ちになるのも嬉しいし好きだけど、
たまにはこういう本との出会いもいいな、とちょっと思った。
お読みいただき、ありがとうございます。