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黒いアルミ蒸着ジップ袋をパネル型ソーラークッカーで使ってみた実験
アルミ蒸着フィルムで作られた袋はガスバリア性が高い=臭いを通さないので、様々な用途に用いられている。
防災用品としても
・使用後の非常用トイレセットから臭いが漏れないよう入れておく
・持ち運びできる汚物入れ
・米や小麦、塩や砂糖など匂い移りが発生する食品を長期保存する
・使いかけの乾麺や乾物を一時保存しておく
など、色々使えるので備えておくと便利。
で、外側が真っ黒ならばこれをソーラークッカーで使えないのか?って話。
プロローグ ~ミシマさんとの会話~
これにパックごはんとかレトルトパウチを詰め込んでソーラークッカーで暖められたらいいですよね~。中は汚れないので破れるまで再利用できるかも?
— ミシマ (@msma250) November 5, 2024
ミツワ 防水防湿におい移り防止遮光食品保存チャック袋 米3合450g黒Sプラス30枚国産 https://t.co/pWgIJZk4QZ
始まりはこれだった。ソーラークッカー脳の私がTwitter(絶対にXって呼ばない)に『黒いパッケージのレトルト食品なら、そのままソーラークッカーに置いて温まるのでは?』って思いつき(ここでネットミームで有名なのび太の画像を貼りたい、分かる人だけ分かってくれればいい)、黒いパッケージのレトルト食品の楽天アフィリエイトをツイートしまくる奇行に及んでいた際、ソーラークッカー沼仲間のミシマさんからリプライを頂いた。ありがとう、私のような奇行種にコメントくれて。
ミツワ 防水防湿におい移り防止遮光食品保存チャック袋 米3合450g黒Sプラス30枚国産
即買ったぁ!!!ソーラークッカー沼怖いぃぃ!!!!
「ミツワ サニナチュラシリーズ 黒」買いました
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実は買ったのは商品名「におわないチャック袋 ナプキン用携帯サニタリーエチケットケース 多い日(大きめ-黒)60枚日本製」だったのだが、どう見てもサイズも何もかも「ミツワ おお米フレッシュガード お米玄米冷蔵庫保存チャック袋 3合450g(黒) 30枚 Sプラス」と同じに見えたので、60枚の方買いました。送料無料になるし。楽天の商品解説に『におわない袋「驚異の防臭袋Boss」に比べおよそ3.2倍、内容物質漏出が少ないという実験結果が出ています。』とあった。それは凄いな。
素材はアルミ蒸着ポリプロピレンらしいので多分耐熱性もありそう。ダメ元で買った。ソーラークッカーで失敗しても、災害時に非常用トイレセット使用済み入れるし!日常でも防災でも使える!
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ミツワさん太っ腹…2024年11月現在の話ですが楽天で送料無料になるくらい買ったらおまけで色んなサイズの袋も付いてきたよ。今後の参考になる!私は楽天アフィリエイト厨のアフィカスなので出来ればここにアフィリンクを貼りたいところなのだが、noteでは禁止なので有限会社ミツワさんのWebサイトを貼っておきます。
製袋ミツワ-製袋加工工場
https://hddbancho.co.jp/
色々拝見したところ大手コーヒーメーカーのコーヒー袋の試作・量産を手掛けている企業らしい。今回私が購入して実験に使うのはこのミツワさんの「ミツワ 強力防臭 におわないチャック袋 サニナチュラシリーズ」です。公式サイトはこちら。楽天とAmazonの販売ページへのリンクもあります。
https://hddbancho.co.jp/sani-natura/
全て食品衛生法対応の袋らしいので、多目的用途で備えられてとても良い。使いかけ乾物のストックにも良いね、完全遮光なので。使い捨てのサニタリーボックス(汚物入れ)に使う人も多いみたいだよ。何それ超便利じゃん??サイズも種類も豊富すぎぃ!!
というわけで購入した「ミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラス」(と便宜上呼びます多分同じだから)がソーラークッカーで使えるのかどうか実験してみます!本来の用途とは違う使い方なので自己責任で行っています。ご留意ください。
(1)鯖缶温め実験-ミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラス×防災用簡易パネル型ソーラークッカー「クリオネ」
材料は以下、同じものを2つ用意しました。
キョクヨーサバ水煮缶2個
ミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラス2枚
ダイソーで買った燻製用温度計2本
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2024年11月12日10:00 防災用簡易パネル型ソーラークッカー「クリオネ」にセット。袋に鯖缶を入れて温度計を突っ込んでます。ソーラークッカーに置いたものと、単純に直射日光に当てるだけで温度比較します。ソーラークッカーが無い場合でも、黒いアルミ蒸着袋だけでどこまで缶が温められるかを知りたい。20分ごとの温度変化を記録します。なお、ソーラークッカーに直接置くとコールドスポットと呼ばれる熱が逃げてしまうポイントが沢山できてしまうので、接点を少なくするため脚付き網(100円ショップ購入ケーキクーラー)を使用してます。割りばし2本用意して上に乗せるだけでも大丈夫です。
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15分後の10:15頃の温度。斜めから撮影してしまい曖昧だけど、ソーラークッカーの方が30℃前後、直射日光のみは25℃前後。
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20分後の10:20 ソーラークッカー67℃(こんなにすぐ表面温度上がるのか?!と驚いたね)、直射日光30℃ この時点で袋に触れると上だけ熱くて下は生ぬるいので、缶の中身を撹拌すべく袋をよく振って上下ひっくり返しました。そこでいったん温度は下がりました。
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40分後の10:40 ソーラークッカー62℃、直射日光34℃ 振って撹拌しておきます。
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60分後、11:00 ソーラークッカー65℃、直射日光35℃ ここで実験終了。直射日光は35℃程度が限界みたいです。それでも人肌程度に鯖缶表面は温まるらしい(後述しますが内部温度はもうちょっと低くなります)
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防災用簡易パネル型ソーラークッカー「クリオネ」で温めた方の鯖缶試食。実験中の温度はあくまでも、袋と缶の隙間の温度を拾っているだけなので缶の内部温度はそれより下がります。缶を開けて温度計突っ込んだところ、内部温度は51℃くらい。これでも十分熱々に感じるので美味しく食べられる!袋の熱による変形はありませんでした、中が汚れないので繰り返し使えます。
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ということで、美味しく頂きました。
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(2)レトルトカレー&パックご飯温め実験-ミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラス×防災用簡易パネル型ソーラークッカー「クリオネ」
続けて同じく「クリオネ」で実験。材料は以下。
レトルトカレー
ミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラス
パックご飯
黒画用紙(100円ショップで購入)
黒アルミホイル(カインズで購入、アルファミック 黒~いホイル)
A4サイズOPP袋(100円ショップで購入)
パックご飯は大きすぎて袋に入らないため、黒画用紙に挟んでOPP袋に包むことにしました。後述しますがそれでは温度が上がらなかったため、途中で画用紙→黒ホイルに取り換えました。
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2024年11月12日11:00、防災用簡易パネル型ソーラークッカー「クリオネ」にセット。ギラギラして見えにくいけど左にパックご飯、右にミツワさんの袋に入れたレトルトカレーです。なお、ソーラークッカーに直接置くとコールドスポットと呼ばれる熱が逃げてしまうポイントが沢山できてしまうので、接点を少なくするため脚付き網(100円ショップ購入ケーキクーラー)を使用してます。割りばし2本用意して上に乗せるだけでも大丈夫です。
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なお、同時進行で別のソーラークッカー実験やっていたため温度計が足りず、今回はパックご飯の方にしか温度計を使わなかった。「ソーラークッカーでパックご飯を温める」も確認したかったのでご了承下さい。開始5分後の温度は35℃、とりあえず黒い画用紙もそれなりにすぐ温まるみたい。
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1時間後の12時、パックご飯温度計77℃くらい。うーん、良くない。パックご飯は米のでんぷんが老化=β化している状態で、これを95℃以上の温度で数分加熱してα化する必要があると考えていたので、95℃以上を目指したいのだ。黒画用紙では埒が明かないと思い、この時点で黒画用紙→黒アルミホイルに変更。
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1時間15分後の12:15、黒画用紙から黒ホイルに変え、コールドスポット(袋と温めるものが接しているとそこから熱が逃げていくポイント)を減らすために下に割りばしも入れて設置し直し。上下もひっくり返してスタート時、54℃くらい。
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1時間半後の12:30、温度は順調に上がり79℃ やはり黒画用紙より黒ホイルの方が強いと感じる。
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2時間後の13:00、100℃に到達。黒ホイル+OPP袋はやはりすごい性能だと分かる。この温度なら米のα化も大丈夫だと思います多分。
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ここで撤収。中身出したらパックご飯の袋がパンパンに膨らんでいる!少し開けてから加熱した方が良いのかな?でも破裂しなかったよ。セーフ!
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そして肝心のレトルトカレー実験現場での温度計測を忘れてしまいまして…阿呆か…。室内に引き上げてきてから計測しました。こちらはミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラスに入れただけのレトルトカレー2時間加熱。55℃でした。熱々じゃないか!
パックご飯の方に意識が向き過ぎててほんとゴメン。直射日光下ではないので、食べる中身の温度に近いと思う55℃。
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温まったパックご飯とカレー、家の人間に出したら「熱い。旨い。普通。」って言ってた。50℃超えてたらカレーも火傷しない程度に丁度良く熱々になるので、良い方法。ミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラス、この実験では中汚れないので何度も繰り返し使えます。袋の熱による変形はありませんでした。
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鯖缶実験&レトルトカレー実験までのまとめ
「ミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラス」ここまで2つの実験で分かるよう、私が普段パネル型ソーラークッカーで使っている黒ホイル+OPP袋に比べたら低温なのだが、缶詰やレトルト食品のようにあまりに高温になりすぎると蒸気で破裂する可能性のある食品に関しては、食べる時に抵抗感の無いアツアツ加減に温めることが出来て破裂の心配も少ないので便利に思う。
中身の温度、缶詰実験では1時間加熱で50℃台、レトルトカレー実験では2時間加熱で恐らく50℃台ということで、この辺りが限界温度なのかもしれないな?と思ってます。めっちゃ使えるじゃん!袋汚れないので繰り返し使えるし。
ここまで2つの実験では、袋の熱による変形は見られませんでした。後述しますが長時間のソーラークッカー加熱でチャックの変形が発生しますので、是非続きもご拝読頂ければと思います。まだまだ続くよー!!
(3)ゆで卵実験-ミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラス×エコソーラークッカー(株式会社アースダンボール)
ソーラークッカー調理の定番!ゆで卵で実験だ!今回は水を入れる入れないの比較実験も兼ねるぞ!!!野郎ども心の準備はいいかー!(長文書いてて疲れてきた)材料は以下。
卵4個
ミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラス2枚
水50ml
袋に卵2個を入れただけ&袋に卵2個+水道水50mlを入れたものを用意。2024年11月12日10:00、エコソーラークッカーにセットします。市販の段ボール製ダンボパネル型ソーラークッカーとしてとても有名で安価で楽天でもAmazonでも自社サイトでも販売されていて、初心者におススメしたいソーラークッカーです。私も愛用してます。温度計が足りないので、途中経過の温度計測無し。仕上がりのたまごの具合を確認するぞ!
なお、ソーラークッカーに直接置くとコールドスポットと呼ばれる熱が逃げてしまうポイントが沢山できてしまうので、接点を少なくするため脚付き焼き網を使用してます。割りばし2本用意して上に乗せるだけでも大丈夫です。
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3時間後の13:00、実験終了。袋の中身はこう。焦げ目などは出来ていません。卵から水蒸気は出てくるので、水を入れなくても内部が濡れてます。
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ちょっと皮が剥けにくい、やや柔らかめな仕上がりでした。何とか剥いたけどこれは酷い。
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割ってみると黄身の違いが明らかに。左が水なし、右が水あり。違う違うー!水なしの方がより加熱出来てて黄身がぱさぱさの固ゆで状態に!
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感動したので無駄にズーム撮影しました。水入れた方が温度低くなってるね。パネル型ソーラークッカーでゆで卵作る時、水は入れた方が良いか入れない方が良いか問題は悩ましいとこでね。確認しておきたかったんだ!水なしの方が早く仕上がる!!!真夏で加熱しすぎて卵焦がしちゃう可能性あるなら水入れて温度下げておくとか出来そうだね。
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ゆで卵加熱、ミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラスでも可能でした。今後は温度ちゃんと計測したり季節によっての加熱時間など、また実験したいと思ってます。
で、袋の熱変形なのですが。した。エコソーラークッカー性能が高いからだと思います。袋自体は高温になっていた模様。(温度計測してなくてごめんよ…)まずこれは開封する時に引っ付いてた。熱で圧着されてるみたいな状態だった。
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もう一つは端っこの部分がチャック溶けてしっかり開かない感じに変形。
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そもそも大前提として「ミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラス」は加熱することを想定されていない商品なので、商品自体に問題はないです。誤解無きよう何度も書いておきます。自己責任でソーラークッカー実験やってます。
2つ目までの実験は私が考えた簡易ソーラークッカーで性能が弱かったんだけど(乱反射が凄いので集光がそこまで出来ていないため)、市販のエコソーラークッカーみたいに出力が高いちゃんとしたパネル型ソーラークッカーを使って3時間加熱すると、どうやらチャック部分の素材が熱変形するらしいぞ?という事が分かった。手で力入れたら開くけど再利用は不可能。あああ、とても面白いー!
(4)焼き芋(サツマイモ)実験-ミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラス×エデュクッカー003(足利大学中條研究室)
次もソーラークッカー調理の定番、焼き芋だ!焼くというより蒸し芋になりますが。材料は以下。
サツマイモ2本
ミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラス2枚
クレラップ
黒アルミホイル(カインズで購入、アルファミック 黒~いホイル)
A4サイズOPP袋(100円ショップで購入)
サツマイモの計量忘れてしまった…小さめの特売芋なので1個当たり80~100ぐ程度の小さ目です。
サツマイモそのまま入れても良かったんだけど、ラップはどこの家庭にも大体あるし、ラップでくるんで使ったらミツワの袋を再利用できるかどうか?確認したかったので、今回はラップ使います。我が家はクレラップ愛用してます。比較で、私がいつもソーラークッカーでサツマイモ加熱するスタイルで黒ホイルに包んでOPP袋に入れたものを用意しました。実験同時進行のためこちらも温度計が無かったorz サツマイモの仕上がりで結果を判断します。
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エデュクッカー003は販売しているショップが少なくて若干入手しずらいんですが足利大学の中條教授というソーラークッカー研究で有名な方が設計されている段ボール製パネル型ソーラークッカーです。
中條研究室のサイトです。
そしてこれがエデュクッカー003の紹介ページ。
なお、私は楽天で購入しました。これもエコソーラークッカーと同様に使い易くて高性能なので初心者におススメです。
2024年11月12日10:00、エデュクッカー003にセットします。なお、ソーラークッカーに直接置くとコールドスポットと呼ばれる熱が逃げてしまうポイントが沢山できてしまうので、接点を少なくするため脚付き焼き網を使用してます。割りばし2本用意して上に乗せるだけでも大丈夫です。本当はOPP袋の中に割りばし入れて浮かせた方が良いんだけど、面倒なのでやらなかった雑過ぎる。経験値から「これでも焼き芋出来るし」という判断でこのセッティング。
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温度計が無かったのでいきなり結果だよ!3時間後15:00実験終了、芋をカットして比較。左がミツワの袋、右が黒ホイル+OPP袋。見た目差が出た!やはり加熱具合は黒ホイルの方が進んでる。サツマイモは加熱が進むと糖分が増して白い部分が無くなります。しかし、ミツワの袋でも十分に食べられるレベルの芋に仕上がっていました。普通に美味しかったよ。でも黒ホイルの方がより甘かった。
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なお、エデュクッカー003でも熱による袋の変形は起きました。
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引っ付いて開かないので、力込めて袋あけたらチャック部分が熱で張り付いてたのでこのように変形していました。サツマイモをラップでくるんでいたけど水蒸気はやはり漏れてちょっと濡れていた。再利用は難しいです。
まとめ
滅茶苦茶面白かった~!!!今自分が持っている
防災用簡易パネル型ソーラークッカー「クリオネ」(自分で考えた廃材で作るやつ)
エコソーラークッカー
エデュクッカー003
の性能比較も若干兼ねていて、気になるミツワの袋も使えるかどうか確かめられた。使い捨てサニタリーボックス用に購入しておいて、災害時にはソーラークッカーにも転用できるな!!!と思ったので沢山購入して後悔は無し!ミツワ サニナチュラシリーズ 黒Sプラス60枚買ったんだぜ!!!前述のとおりこの袋は食品衛生法対応してて食品直接入れてもOKなので、災害時にお米など食い物を知り合いに分ける時にも使えるぞ。加熱には向かない材質なので注意してな!!
以上、ソーラークッカー沼の人々の何か参考になれば幸いです。みんなおいでよソーラークッカー沼へ。楽しいぞ。
理科の実験大好きなテンションでしか私はやっていないので、エコとかロハスとか政治的なことには無縁ですので思想は押し付けないでください全力で逃げます。文明的生活大好きで農薬も食品添加物も1000%許容してます自分のプランター栽培でアブラムシ湧きすぎたらオルトラン使ってます!農薬も化学肥料も人類の英知!!理科の実験楽しい~!!フォー!!!!!防災にもなって一石二鳥~!!
誤字脱字はいつものように、目が節穴なので公開後に気付いてチマチマ修正していくスタイルです。生暖かく見守ってください。野生のゴリラを観察する距離で読んでくれたら嬉しいです。
なお、前半で紹介した「クリオネ」はご自宅に段ボールと防災用サバイバルシート(アルミ蒸着フィルム)とカッターあれば簡単に作れますので、こちらもご覧ください。災害時に使えるものとして考えました。今回パックご飯が温められる検証が出来て、私は嬉しい。
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