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仏教関係のことを調べたり絵にしたりする試み。

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おみくじについて調べたり、お経を絵にしたり、素人が仏教の世界についてあれこれ近づこうとして何かを創作したりまとめたりします。
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記事一覧

妖怪とわたし(その1)

はじめに 今年も蚊帳を出しました。 昔ながらの吊り下げ式じゃなくて、変なレースがついた安価なワンタッチドーム型の蚊帳ですが、毎年夏の夜は行灯風ライトで杉浦日向子さんの『百物語』や地方の民話、そして水木しげるさんの怪奇ものを読み返したりします。蚊を避ける目的にとどまらず、薄い繭の中にいるような安心感と異空間にトリップするような不思議な心地がするというか。 数ヶ月前、包装紙のお店Regaro Papiroさんで買ったハギレ千代紙の中にかわいい妖怪柄があって、小さいのでただ飾っ

凶について考えた(おみくじと易)。

1.おみくじ のこと 2019年にこんなZINE(お寺などでよく見かける、ある系統のおみくじを全種類載せて自己流にゆるく解釈したもの)を作った。 きっかけは、2014年か2015年頃のお正月に、身内が下の画像とほぼ同じ挿絵のおみくじを引いたのをチラッと目にして、だけど本人がすぐに結び所に行ってしまって詳細が見えなかったので、以来ずっと「なんであんな物騒な場面の挿絵がついていたのか。あのおみくじには何が書かれていたのか」が気になって、その時引いたのと同じ系統のおみくじを探そ

涅槃図をめぐる休日。

探し物をしていて、肝心のものが出て来ない代わりに別のものが出てくることは多い。今回、同じような経緯でたまたま掘り起こした紙の束(コピーやメモ書きの類)を使って、自由研究的なものをここでしてみようと思う。 ちなみに、出てきたものは涅槃図に関する覚え書きです。 ・涅槃図とは仏涅槃図はお釈迦様の入滅を描いたもので、仏画の中で最も有名な題材の一つだろう。日本では平安後期から制作され、時代ごとに描かれる内容や画風などは変遷したそうだけれど、構図や基本的な要素はおおむね同じなので素人

ZINEを作る。

雑貨も置いているような書店で、近頃よく目にするZINE。リトルプレスという方が自分にはしっくりくるのだけれど、それは、私が『リトルプレスの楽しみ』(柳沢小実著/ピエブックス2007)という本を持っているからかもしれない。 同じ著者・出版社の『フリペの楽しみ』という一冊とともに、主にデザインの仕事の参考や、たまに息抜きに眺める事もあったけれど、自分でおしゃれな本を作ろうと思うことは、あまりないかなぁ… 読むのは好きで、リトルプレス、あるいはZINE、ミニコミ、フリーペーパー

おみくじを、さらに作ってみた。

このところ災害を含め大きな出来事があり呆然とした気持ちになり、たまたま仕事を休んでいることで世間から取り残された気分にもなっていて、「することはたくさんあるはずなのに、何をしていいかわからず落ち着かない」状態になったので、6月に挑戦した「おみくじ作り」を、もう少し本格的にやってみました。 それでもやはり、100種類は作れず、全47種類。画像にあるのは20種程度なので、全体ではこれの倍以上あります。 A3に10種類×5パターンのおみくじを作り、印刷後にカットして、折りたたん

絵・観音経偈(2022追記あり)。

絵般若、十三仏真言に続いて、今回、『観音経』を絵にしてみました。 般若心経には以前から親しみを持っていたものの、観音経の方は法事の時に耳にしても、今ひとつ記憶に残らなくて… 長くて敬遠していた部分もあるのですが、今回、絵にすると同時にようやく内容をざっくり知りました。 参考にした入門書によると、昔(2500年程前)、お釈迦様が説法会を催され、大勢の弟子や菩薩たち、天上界の神々などを前に語られたのが『法華経』だったそうです。それは28品(章)に分かれていて、その中の25番

絵般若。

10年近く前、鎌倉のお寺で授かった「絵般若」。駄菓子店で売っている「点取り占い」的というか北斎漫画風のユーモラスな味わいが魅力だけれど、江戸時代に考案されたため絵が何を表すかわかりづらく、ふりがながなく読み進むのが難しく、いつか自分で読めるように描いてみたいと、この10年の間に何度か思っており、その「いつか」がやってきました。 今回は母が使っていたポケット経本と、本棚の『笑い飯哲夫訳 般若心経』を元に、市販されている絵般若グッズなどもネットで参考にしつつ作成しました。 で

絵でよむ十三仏真言。

法要の時に十三仏真言をちゃんと唱えられるようにしたいと思い(文字だけを見ても口が回らないので)、昨年の「絵般若」に続き、作ってみました。 1.不動明王、2.釈迦如来、3.文殊菩薩、4.普賢菩薩 個人的には「かろしゃだ そわたや うんたらた〜かんまん」が好きです。水木しげるさんの『ゲゲゲの鬼太郎』の「さら小僧」の回で出てくる「ぺったらぺたらこぺったっこ」のリズムを思い出すような… 5.地蔵菩薩、6.弥勒菩薩、7.薬師如来、8.観音菩薩 「おんかかかび さんまえい そわか

おみくじを作ってみた。

駄菓子店で点取り占いを久しぶりに買って、「どれどれ」と開こうとしたら糊がしっかり付きすぎていてうまく剥がれず、一枚ずつ時間をかけて端っこをビリビリにしながらこじ開けて、そこまで苦労したのに中を見て一気に脱力する、という体験をしました。点取り占いを台紙ごと(12付)大人買いすることもできる昨今ですが、全種類欲しいといえば、長年「おみくじ」に対して漠然と思っていたことがあります。 それは、以下の三つ。 ①「おみくじを全種類見ることはできるのか」 ②「寺社で授かるのと同じおみ

仏像よ こんにちは。

昨年末、生まれてはじめて仏像を入手しました。 仏像というより、サイズ感や軽さなどがフィギュアっぽくて、身近な感じがして愛らしい。 早速、父の四十九日法要のときにお寺さんに見せると「とてもいいお大師さんですね」と褒めていただいたものの、「でも沓(くつ)がありませんね。沓がないとお大師さんがお出かけになれないので仏具店に確認してみてください。必ず仏像に沓が付いているはずですから」とご指摘を受け、お店に確認すると「このサイズには付いていないんです」とのお返事。 それまでは私自

吉凶夢判断。

昔の本に載っていた夢判断。ちょっと他の用事で必要があってイラストにしたのでカルタ風に紹介します。 真実味については深く考えず、「点取り占い」を見るような気分でさらっと味わっていただければ幸いです。 1.朝日の昇る夢を見れば、立身出世するだろう。 2.頭が痛む夢を見れば、望みごとが叶う。 3.犬に吠えられる夢を見れば、友を失う(ただし、犬の夢を見るだけなら、「よき友を得る」)。 4.家の中に草が生える夢を見れば、商売に不利である。 5.釜をもらう夢(現代だと炊飯器で

おみくじ1〜100番まで作ってみた。

おみくじを作ってみたい、という漠然とした願望は昔から持っていたように思う。 ただ、それは例えば宝探しゲーム(指示をどこかに隠して最後にプレゼントにたどり着くようにする)を計画するとか、ダンボールで小さな家を作ったり、いろはカルタやオリジナルのマッチを作ってみたい、というのと同列の「ワクワクする遊び&モノづくり」の一つだった。 形に残っているものとして、最初におみくじ作りを実行したのは2004年あたり。イベント用(デザインフェスタや、手づくり市など)に、その辺にあるわら半紙

「今」にのみ込まれないように。

毎日、感染症関連や政治家の発言などでニュースが埋まっていて、世界や日本が今どうなっているのか、これから世の中がどこへどう向かうのかよく分からない。 以前よく耳にしていた気がかりなニュースはその後どうなったのだろう、シリア情勢や、北アイルランドは、パレスチナは、ミャンマーでの軍によるデモ弾圧のニュースは入ってくる一方で、香港は…普天間や辺野古は。そう思ってネットで検索したり新聞を開いたら、そこには現状を伝える記事がちゃんと載っていた。要するに自分が半径数キロ圏内にしか意識を飛