あなたが「普通」とは限らない理由。
子どもたちと、「目玉焼きには何つけるか論争」になり、自分と同じ「醤油派」の圧勝だと思っていたら、「塩・こしょう派」のねばりに驚かされたJUNです!
まぁ、一番驚いたのは、「ケチャップ!!」という答えだったのですがね。それは、置いといて。
このように、認知バイアスのことを、「フォールス・コンセンサス」というのをご存知でしょうか。
ざっくり言うと、
「物事に対する自分の感覚は、普通だと考えてしまう。」
と、考えがちになってしまうこということです。
何気ない世間話の中にも頻繁に登場しますよね。
何かしらの判断が問われたときに、
「そういう状況なら、普通〇〇するでしょ。」
と、ついつい言ってしまうこそ「普通〇〇」こそ、
「自分が多数派である。」
という思い込み、
「フォールス・コンセンサス」なのです!
これは、親や教師のような誰かに何かを教える立場になりがちな人にとって、確実に頭の隅にピン止めしておかなければならない考え方です。
ぜひ、この記事を読んで、子どもたちへの自分の対応方法を見直してみてください!
▶親が心掛けたい「フォールス・コンセンサス」。
保護者面談の際に、よく聞かれる話として、
「家で子どもの学習を見ているのですが、何で分からないのかが分からないんですよね。」
という言葉、本当によく聞かれます。まさに、「フォールス・コンセンサス」の申し子といっていいでしょう。
親御さんとしては、
「自分の考え方をそのまま伝えているのに、分かってくれない。」
という思いがあるでしょう。しかし、子どもからしてみれば、
「親の言っている考え方自体が分からない。」
という混乱に巻き込まれている可能性が高いのです。親御さんは、
「『分かっている』前提で考えている。」
ため、もっと手前の段階で、子どもさんが何かしらひっかかっている可能性が高いと思われます。
問題の要素を分解して・・・。などというと、教師の仕事になってしまいますが、例えば、
「割り算で悩んでいるなら、そもそも掛け算は定着しているのか。」
のように、親御さんが考えているもっと前段階から学習を始める必要があるかもしれません。
「分からないことが分からない。」
ということは、
「子どもがどこまで分かって、どこからが分からないのか。」
がはっきりしていないということです。ぜひ、本命学習の前段階から振り返ってみてください。若しくは、担任の先生にご相談しましょう!
▶教師が心掛ける「フォールス・コンセンサス」。
教師という仕事柄、自分が計画した授業を実践すると、
「想定していた子どもの姿とは違った。」
という経験は、常につきまとうものです。
「子どもの実態に即して・・・。」
と言いますが、なかなかぴったりと即せないのが、この仕事の難しいところですよね。
だからこそ教師は、
「『普通』なんてない!!」
と常に心に留めておくことが必要でしょう。特に子どもたちから考えを引き出すような場面では、
「教師の考え方に寄せていかない。」
ということを意識しなければなりません。
もちろん教師という仕事ですから、問題に対する自分なりの「答え」を持ち合わせており、必要に応じた支援をしていくわけですが、答えが1つとは限らない場合もあります。考え方に関しては、「正しさ」なんてないですよね。多様な考え方で答えに迫っていく子どもたちの姿に価値があるのですから。
では、教師という立場から何をする必要があるのでしょうか。
それは、
「子どもたちを関わらせることで、多様な考え方に触れる機会を提供し、さらに承認できるようにする。」
ということに尽きます。
だれもが、
「自分の考え方が一番一般的で普通である。」
と思ってしまうという特性をもちあわせています。だからこそ、
「自分と違う意見に価値がある。」
のです。
「自分が普通」だと思っていたのに、
「違う考え方もあった。」
「意外と僕の考え方は少数派だった。」
という経験が、話し合いをすること、友達と関わることを価値づけてくれるのです。
余談ですが、「自分の考え方が普通」という特性がひねくれると、人間関係の問題に発展していくのは自明の理ですよね。
だからこそ、授業を通して、
「多様な考え方があり、一人ひとり違って良い。」
「無理やり自分の考えに引き寄せてはいけないし、他者の考えに従うこともない。」
という人生において大変重要な学びをすることができるのです!
▶まとめ。
本記事では、「常に自分が普通だとは限らない。」という内容をまとめました。
そんなことを書いている僕自身も、子どものときは、「自分が住んでいる地域が、地球の真ん中である。」という壮大な勘違いをしていました。子どもだからこそ、
「自分の考えに固執し、自分の考え方が正しい。」
と、こだわりをもつでしょう。そんなときに、
「あなたの考えも素晴らしいけど、みんながあなたのように考えているとは限らないんだよ。だからこそ、話し合おうじゃないか、友よ!」
と教えてあげることは、その子にとって、大変気持ちが楽になる考え方ではないでしょうか。
そんな大切な役回りに遭遇するチャンスのある大人だからこそ、「フォールス・コンセンサス」を使いこなしていきたいものです!
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