画像認証さえなければ
前前回の記事でも書いたが、最近フォロワーでもあるnoterさんが作ったnoter同氏のモクリでのグループ通話に参加させてもらった。
ところがその矢先、モクリが3月でのサービス終了を発表した。それに伴い、モクリでのグル通をディスコードに移行することになったそうだ
私はディスコードのアカウントを持っていない。ディスコードというアプリの存在は何となく知っていたけれど、使ってみたいとは思わなかった。
というのも、同じ視覚障碍者界隈でディスコードを使っているという人をあまり聞かないので、ボイスオーバーなどの画面音声読み上げアプリでは使いにくいのだろうと勝手に思い込んでいるところもあったからだ。てか実際にアプリを入れてみて、本当にボイスオーバーでは使えない、あるいは使いにくかったら時間と労力の無駄ではないか。
しかしせっかくnoterさんたちとの新たな交流ができそうだと期待していたところだったので、このチャンスを逃すのは非常にもったいないとも思った。だから試しにディスコードをダウンロードしてみることにした。
メールアドレスや表示名やパスワードなど、入力必須項目を打ち込んだり選択したりして、どうにかアカウントらしき物が作製できたっぽいと安心したのも束の間、その後私たち全盲者の大敵である画像認証が出てきた。このアカウントの作成者はロボットではなく人間であることを証明するためのあれである。
施設のスタッフさんに見てもらう手もなくはなかったが、個人情報やプライバシーに関わることでもあるので断られる可能性があった。それにこちらとしても、施設スタッフとは言え、自分のIphoneをほんの一瞬預けるのは不安なので、できればあまり頼みたくなかった。
これは無理だろうなあと思いつつも、せっかくここまで来たのだ。後少しでディスコードのアカウントが完成するのだ。ここで諦めるのはもったいないだろう。
もしかしたら適当に画面をタップすれば突破できるかもしれない。
しかしそんな淡い期待も空しく、何回かチャレンジしてはみたけれど、そこから先に進むことはできなかった。
画像認証さえなければ、ディスコードでのnoterさん同氏のグル通に参加できたのに…。
そんなわけで、ディスコードのアカウント作製は断念した。
その後すぐホストのnoterさんに、「せっかくディスコードに誘ってくださったのに申し訳ないです」と謝罪も含めて事の顛末をDmしたところ、「それならスカイプはどうでしょうか」と提案があった。
なるほど、スカイプならすでにアプリを入れているし、何回か使ったこともあるのでだいじょうぶかもということになり、とりあえずグル通の件はひとまず解決した。
それにしても、私たち全盲者にとって、画像認証というのは本当にやっかいだなあと、今回のディスコードの件で改めて思わされた。
そういえば先日もXのサブアカウントの名前をちょこっと変えただけで、画像認証を求められたのでビックリした。
それでも画像認証のすぐ下に音声認証の画面があったので、試してみたら何とか認証が通ったのでよかったのだが、正直めんどくさくなったなあと思った。
だがこの音声認証も、アプリによっていろいろと異なるようで、つい最近も、フェイスブックのアカウントを作ろうとしていた盲学校時代の友人が、音声認証も英語ばかりでよく分からなかったからと、アカウント作製を断念したそうだ。
セキュリティ強化を厳しくしたいアプリ運営側の考えももちろん分かるのだが、それによりアプリを使いたくても使えない人たちが出てくるというのは、何とも悩ましい問題だと思う。
本当はセキュリティ強化を厳しくしなくても、誰もが安心安全に、そしてまじめにインターネットを利用するという気持ちを持つことが、何よりも1番大事なような気がする。