詩「レッスン」

　先生、私詩人になったよ
音楽なんかもうとっくにやめて

　幼い頃の私は
歌うことも喋ることも好きだった
本当の声を無くしたのはいつからだろうか

　正しさがほしかったんじゃない
礼儀作法を知りたかったわけじゃない
どうして誰も気づいてくれなかったんだろう
すぐに指摘してくれなかったんだろう
私で居られる物が一つだけあればいいんだ
もう歌もピアノも弾けなくたって
この文字とペンとパソコンと言葉があれば
きっと生きていける

　先生、私詩人になったよ