詩「31.6℃の都会の真ん中で」
31.6℃の都会の真ん中で
私は道に迷っていた
揺らぐ気持ちと
混乱する頭で
自分は今どこに向かおうとしているのかを必至に考える
31.6℃の都会の真ん中で
私は許すことを覚えた
人には様々な事情がある
そしてそれは私にはどうにもできない
そんなあたりまえを受け入れなければ
この恋を愛にすることはできない
24.5℃のクーラーが効いた部屋で
私たちは強く抱き合った
振るえる魂を
恥ずかしげもなく何度もぶつけ合う
そして今を生きると誓いを立てて進む
再会の喜びと共に
30.3℃の新幹線のホームで
私はまた一つ大人になった
当ての無い明日を信じると決めた