私には本棚が無い
先日渋谷のラジオで毎週金曜日の朝9時から放送されている「渋谷で読書会」のアーカイブを聞いた(9月8日放送分)。
その中で番組パーソナリティでもあり、書店双子のライオン堂店主の武田さんが、このほどおもしろい選書サービスを始められたそうだ。
それは本棚の写真を見せて、その本棚に並べたら良いんじゃないかと思うような本を武田さんが選書してくださるというサービスのようだ。
何手素敵なサービスなのだろう?!私もぜひ1度利用してみたいと思った。
だがそこではたと気がついた。私には本棚が無いのだ。
全盲の視覚障碍者が読書をする時には、点字、あるいは音声で本を読んでいる。最近は音声を利用している視覚障碍者が多いようだが、私は点字で読むことがほとんどである。
学生の頃や、仕事をし始めた20代前半の頃は、盲学校の図書室や、最寄の点字図書館から、活字1冊分の本を何冊にも分冊した百科事典のように分厚い紙の点字本を借りて読んでいた。
そんな紙の点字本は重たいしかさばるので、持ち運びにはあまり適さなかった。それに部屋の置き場所にもかなり困った。
それが10数年前からブレイルメモ(点字ディスプレイ)で点字本が読めるようになってからは、点字本をデータとして管理できるようになった。それにより持ち運びにも置き場所にも困らなくなった。
「サピエ」というネット図書館から、点字データをダウンロードして、UsbやSdカードを経由することで、ブレイルメモでも点字本を読むことができる。
そのため私のパソコンのダウンロードフォルダには、読みたいと思っている本や、これから読もうとしている本の点字データでいっぱいになっている。
そう考えると、私の本棚はパソコンの中にあると言っても過言ではないのかもしれない。
もちろんそれはそれで手軽だし便利なのだけれど、もし本棚があれば、読みたい本や読んだほんを、形として手元に残せて、なおかつその本を相手にも共有することだってできるのだ。
読書好きなのにそのようなことができないのはちょっぴり寂しいような気がする。
こんな時、本棚を持てる晴眼者が少しだけ羨ましく思うのだった。
※追記
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