詩「いつもの」

 頼んでもいないのに携帯に届いた速報通知が
いつもの朝を引き裂いた
ここは日本だ
地球儀の中の大きな国々の話みたいだ

 適当な挨拶とたわいのない話ししかしていないようなライングループが
いつもの昼下がりに切り込んだ
友達でもないのに
あの人はああだったらしいよ
確証の無い話ばかりが飛び交う

 何の気無しにつけたラジオのアナウンサーの慎重な話し方が
いつものティータイムをぶち抜いた
信じられない
あってはならない
そう思っているのは私たちだけではなくこの空も同じようだ
湿気を含んだけだるい空気

 夜7時の夕食時につけていたテレビから繰り返し流される映像が
いつものリビングを浮遊して
私の感受性にふたをした

 これからこの世界で何ができるのだろう
どうやって生きていけばいいのだろう

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