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この町にも、町としての日常がちゃんと存在している
昨日の午前中、歩行訓練で許可が出て以来初めて一人で郵便局に行ってきた。毎月の施設利用料を支払うためである。
当初はプログラムが終わった15時過ぎに行くつもりでいたのだが、午後から気温が30℃を超えると、朝のAbcラジオの天気予報で言っていたので、それなら涼しい朝の内に行ってこようと、休んでもそれほど支障がなさそうな(と言うのもあれだが)ストレッチのプログラムの時間に行くことにした。
涼しい朝の内にと言ったものの、10時過ぎでさえ外は予想以上に暑かった。モワッとするような夏特有のあの暑さである。夏はもうすぐそこまで来ているようだ。
今年は大阪で過ごす初めての夏である。6月末の時点でこんなに暑いのだ。夏本番の7月8月を乗り切れるのだろうか。少し不安になる。
施設を出て少し行ったところの大通りの交差点が1番の難所かもしれない。
西に渡る方には音響信号が付いているが、北に渡る方には音響信号が無い。
そのような場所では、自分と同じ方向に進む車や自転車などの音を頼りに渡るようにしている。
ちなみにそこの交差点の場合、反対側の音響信号の音が鳴り終わってから10秒数えてから渡り始めるとタイミング的に丁度良いらしい。
一人で歩いたのが初めてだったこともあり、音響信号の無い交差点を渡るのは特に緊張した。
しかしタイミング良く自分と同じ方向に進む自転車の音があったおかげでどうにか渡ることができた。
その後大通りから1本入って、高校の前の道から郵便局までの道が、一人で歩いたら地味に長かった。スタッフさんの手引きで行けば数分ぐらいの道が、一人で歩くと10分ぐらいかかった。
この日は暑かったこともあり、その10分がさらに苛酷に思えてくる。
そのような時は施設の仲間がやっている、歩行の妨げにならない程度のボリュームでラジオをかけながら歩くのが良いかもしれないと思った。
しかしその一方で、「分かりますか?」と見知らぬ人から声をかけてもらったり、ゴミ収集車がゴミを回収しているところに遭遇したり、高校の体育館でのバスケか何かの授業の様子が聞こえてきたりと、郵便局までの行きかえりのほんの短い時間だけでも、人の流れや、町に流れる日常を体感することができた。1日中施設に居ると、そのようなことはなかなか実感しにくい。
そうなのだ、この町にも、町としての日常がちゃんと存在しているのだ。そんなあたりまえが、とても新鮮に思えてくるのだった。
そんなことに気がつけるのも、単独歩行の良いところなのかもしれない。
地元に居た頃の最後の2.3年は、コロナ渦や、かつての職場の仲間など、知っている人に会ったらという精神的な不安から、一人で外出するのが億劫になっていた。
しかしそれが大阪に出てきてから、現時点では銭湯と郵便局だけだが、それでも一人で行ける所ができたのだ。たった2か所だけでもものすごく嬉しかった。
今後もコンビニやドラックストアなど、自分で行ける所を少しづつ増やしていきたいと思っている。