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はねz
2022年9月15日 22:43
無に返った。そうは言えなかった。私達は多くを失ったが、そこには残ってしまったものがある。瓦礫の山。積もった雪のような灰。誰かがどこかで泣いている声。「こんなはずじゃなかった、のにな」二、終わりの先呆然と膝を折った貴方の前には、無よりも残酷な世界が広がる。ここは、終わった後の。戦って、生き延びて、手にした勝利の先。けれど絶望する暇はない。「望まなければならないわ。未来を」
2022年9月9日 22:09
なんと、美しい人だろうか。一、それに気づくにはあまりにも遅すぎた彼がこんなにも美しい人だと、こうして対峙してみて初めて解ったのだ。これが傍らに居たのだと思うと、背筋がぞっとする。なんとも惜しいことをした自分を殴ってやりたい。──何故、今まで気づかなかったのか!きっと私は、酷く歪んだ顔をしている。柄を握る手は白く強ばり、まるで温度を感じない。対して、彼は静かにそこに立っている。両手