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散乱した詩

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ことばの集まり
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2022年2月の記事一覧

これから先に

これから先に

俯いているということは
まだ貴方には見えている

止まっているということは
まだ貴方は立てている

泣き崩れて這いつくばって
何も出来ない、と嘆いていようが

どうしたらよかったのか、と
ずっと正しい道を探しているのなら

後悔するということは
これから先に
貴方が生きていくということ

重たい失望を抱えている

重たい失望を抱えている

もう無理だ、と上げた両手で
重たい失望を抱えている

楽な道を歩くことを
楽に出来る人であったなら

限界なんて来なかったのかな

それが誰かの特別になれるように

それが誰かの特別になれるように

地上に届くことのない
弱い弱い星だったとしても

貴方にとっては唯一ではなく
無数の光の一つだとしても

失くなったって構わないような
どうでもいい存在だったとしても

確かに私は今ここで
命を削って輝こうとした

それが誰かの特別になれるように

聡明な貴方へ

聡明な貴方へ

何でも存在出来る無限の宇宙の中に
孤独を感じてしまうような聡明な貴方へ

何処までも広がる果てない可能性の中の
虚無に気づいてしまうような優しい貴方へ

そこに確かに落ちている自分の影は
はっきりしない不安感や焦燥で

その色を黒だと言えないのは
たくさん在るものを一生懸命考えているから

貴方がそれを辞めたいほど嫌っても
隣で引き留める酷い私を許してほしい

同じものは見られないけれど
私には到

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私の寂しい両手にも

私の寂しい両手にも

私の手に入らなかった愛で
誰かの物語が生まれているのなら

ここに独りで残された
私の寂しい両手にも

幸せを作り出す力が
あったということでしょうか

誰かと生きるほど

誰かと生きるほど

誰かと生きるほど
器用ではないけれど

独りで生きられるほど
強くもない

手を伸ばして
「ここに居る」と言えない私に

手を差しのべない
「どこかの誰か」を責める資格は

ないのかもしれない

駄目なものだよ

駄目なものだよ

本当に駄目なときは
考える間もなく
どうしても駄目なものだよ

だから明日の心配は辞めて
今が楽しめているなら
それがすべてだ

さよならを惜しむのは

さよならを惜しむのは

さよならを惜しむのは
もう辞めよう

寂しさも
苦しさも
身を裂かれる
痛みも

何度通りすぎても
慣れるものではないから

そこに確かに在ったはずの
想いに縋り続けて

形のない感情が
醜いものに変わってしまう前に

去っていった背中を
いつまでも見つめるのは

もう辞めよう

何も求めない人なんかいない

何も求めない人なんかいない

何も求めない人なんかいない

欲しくないって言わないで
要らないって嘘を吐かないで

自己満足なんて
言い訳に使わないで

十の声に一でも返ってくれば
私達は救われるの