悔いの残る介護をしたからこそ
手から暮らしを見守るセラピスト介護士「三浦かおり」です。株式会社みうら不動産 見守り事業部に所属し、日々活動中です。
自社で新しく取り組んでいる「見守りサポートサービス」
若年性認知症の父親が今も存命だったなら、どんな内容を希望しただろう。家族は何をサポートしてほしかったのだろう。そんなことを考えます。
徘徊はいつも・・
父が徘徊する方向は毎回、職場のあった方面でした。もちろん現金は所持しておらず、無銭飲食で警察から家族が呼び出された時も、長く務めた会社の近くのラーメン屋さんでした。
体は覚えているから想うまま向かうのですが、そこから先に混乱してしまうという現実に、毎回、切なくなりました。
お父さんのやりたいことは?
今はもう聞けませんが、それを聞いたら何と答えたのでしょう。
私がひとつ代弁するなら、
『コーヒーを飲みに行きたい』ではないかと思います。コーヒーと葉巻が大好きだったのです。
フルタイムの仕事と乳飲み子含む二児を抱えた私は、実家で父とゆっくりコーヒーを飲むことは数えるほどで、ましてや父を連れて美味しいカフェに行くことなんてありませんでした。
素敵なカフェを見つける度に、父を連れてきたかったな・・と未だに思います。
私が「見守りサポートサービス」を利用するなら
家族の立場で、父へのサポートを依頼するなら、
父と近所のカフェに歩いて行ってほしい
父から仕事をしていた頃の話を聞いてほしい
仕事の話を何度言っても初めて聞くように聞いてほしい
帰りは父の好きな甘いものを買い物してほしい
このような内容を希望します。
父は仕事が好きで、外食が好きで、人が好きで、歌が好きで、カメラが好きで、社交的でした。
そんな父がデイサービスに週6日行く日もありましたが、どんな気持ちだったのだろう。
家族は十分に今できることをやっていると信じることで、父の気持ちはいつからか置き去りにしていたのかもしれません。
理想と現実
しかし、生活がある中で、家族が本人の気持ちに寄り添って行動するというのは現実的になかなか難しいと思っています。介護者は神様ではないから、そんな大きな心で受け止められない場面もあります。
仕事をしなければ生活が成り立たない
子供がいればどうしても子供優先になってしまう
介護者にも感情や疲労がある
家族だからこそ双方に慣れ合いや衝突がある
だからこそ第三者の介入
だから、私達が介入する必要性があります。必要な時に必要な人へ届けたいから、SOSを出してほしいのです。それは家族が求めてもいいのです。
ただ…
訪問介護の現場にいた頃に何度言ったか分かりません。
訪問しても、介護保険では決められたこと以外はできないのです。
ヘルパーとして仕事をする中でも利用者へ伝えましたし、サ責になってからも現場のヘルパーに指示を出しました。家族に理解いただくこともありました。
でも、現場にいる人間としては、やってあげたいんです。介護保険外のことの方が当事者には求められていたりするのです。
頼む利用者も切実。藁にもすがる思いの時もあります。
もちろんケアマネや関係各所に繋ぎますが、想いが途絶えることも多いはず。
思い悩んだ現場経験、悔いの残る父への対応…そして今。
だからこそ立ち上げた見守り事業。
家での暮らしを手から見守る、見守りサービスから一歩進んだ「見守りサポートサービス」
まずは、ご本人、ご家族のお話を聞かせてください。ご提案できることが必ずあります。