出会いと別れ
送別会
“出会い”があれば、“別れ”がある。
その別れに際しての“送別会”が先日あった。
そろそろ会社などの送別会シーズンがやってくるだろう。自分がお世話になって「本当に寂しいな、、、」と思う送別会もあれば、すごく嫌いな人で「職場の送別会だし、しゃあなし行くか」というような送別会もあるかもしれない。
けど、送別会ってカタチだけでやっても意味がない。その人のことを思って、良いことも悪いことも全部ひっくるめて「お世話になったな」と送り出してあげることが大切なんじゃないかな。
その「お世話になったな」という思いを抱くとき、そこにはその人との出会いが必ず思い起こされなければならないと思う。
僕が経験した、先日の送別会は本当に寂しいなと思ったし、心から「お世話になったな」というか「お世話になりっぱなしだったな」と感謝の想いしか出てこなかった。それは、その大先輩との出会いから今までを初めて振り返ってみたからだった。
出会い
その大先輩は、僕のハンドボール関係の先輩であり、そして高校の先輩でもある。歳は離れているけれど、自分が高校生のとき練習相手になってくれたり、試合を応援したりしてくれていた。
そのときは、ただ練習に来てくれている大先輩という認識くらいしかなかったし、自分が大人になっても交流を持たせていただくことになるとは予想もしてなかった。
ちょうど僕が中学から高校に上がるくらいのときに、その大先輩の息子さんがハンドボールを始めて、ジュニアの指導にも携わってくれていた。
それから10年。
今でもジュニアの指導に携わってくれていて、その息子さんは大きくなった今でもハンドボール競技を続けてくれている。しかも、これからの日本ハンドボールを背負っていく選手の1人にまでなっている。
僕は、しばらく地元を離れていたが今こうして地元に戻ってきて、その大先輩と一緒にハンドボールの指導に携わることができて、ハンドボールのことや人間関係のことまで相談させてもらったり、お酒を飲みにいったり、本当に嬉しい関わりばかりだった。
感謝
その送別会で、僕が一番思いを馳せていたのは、昨年から僕が母校のハンドボール部の指導に携わることになったときの出来事だった。
僕が地元を離れての数年間、誰よりもその大先輩は母校のことを心配してくれていたのだと思う。
母校のハンドボール部が使っていたアウトコートは、自分が卒業して数年後に使われなくなってしまい、荒れ放題。
「こんな状況で、どうやってハンドボールするん?」
と、最初は激しい憤りを感じた。
僕らは、その母校のアウトコートには尋常じゃないくらいの思い入れがある。あのアウトコートでハンドボールの厳しさも楽しさも、その全てを教えてもらったし、あのアウトコートで人としても成長させてもらった。
その汗と涙がしみ込んだアウトコートが、面影もないくらいに変貌してしまっていることには衝撃だった。
僕が母校のハンドボール部の指導を任されたとき、まず最初に決意したのがこのアウトコートの復旧だった。
とはいっても、お金のかかることだし、学校がそんな簡単にお金を出せるわけでもないし、自分たちの手でやるしかなかった。
「自分の母校は今、誰からも応援されていないのかな?」
そう不安に思いながらも、ハンドボール部全員と保護者でまずはお金を極力かけず復旧しようとなった。
それを聞きつけた大先輩が、「俺も手伝いに行くよ」と言ってくれた。想いがあってもなかなか行動に移すことができないこともあれけど、その大先輩の言葉が何よりも心強かった。
「応援してくれている人がいる」「支えてくれる人がいる」本当にそう思えたし、何より一番嬉しかったのは世代を越えて、こうやって手を差し伸べてくれたという事実。本当に感謝しかない。
しかも、復旧当日にはちょうど富山から帰省していた息子さんと2人で手伝いに来てくれて、その後の練習まで一緒にしていってくれた。
その大先輩は、他にもゴールのバーが色落ちしたり、ネットが劣化したりしていたのを見つけて、ペンキの塗り直しとネット交換までしてくれた。
指導につまずきそうになったときも相談に乗ってくれて、保護者と選手と自分との仲介に入ってくれたこともあった。
本当に子どもの頃から大人になってからまでずっとお世話になりっぱなしだった。その想いが送別会では、頭の中にめぐりめぐって何とも言えない悲しい寂しい気持ちになった。
別れのその先へ
別れのその先は、再び“出会い”だと思う。つまり、“再会”。
母校の指導に携わっている今、もう一度強い母校に!!という気持ちは当然ある。どんなに強いチームにも、弱かった時期はあると思うし、その時期を乗り越えるきっかけになったターニングポイントがあると思う。そして、そういうものは必ず語り継がれる。
でね、本当に思う。もし、このまま選手たちが一生懸命練習に励んで、もう一度強い母校に戻ったならば、絶対その暗かった時期を乗り越えられるきっかけは、その大先輩がしてくれたことの全てだということ。
だから、僕の個人的な想いとしては、その大先輩の恩に報いたい。
次の再会までに。
今回、その大先輩は仕事の関係で新潟を離れることになってしまった。だから、もうずっと会えないわけではないけれど、次の再会が現状のままだったらガッカリさせてしまうかなって。
この別れを通して自分自身がもっと成長しなければと思った。
本当に長い間、ありがとうございました。お世話になりました!!
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