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第105回全国高校野球選手権 佐賀大会展望(抽選前)

昨日、西北部大会の全日程が終了し、
今期も公式戦は夏の大会を残すのみとなりました。

全県レベルの公式戦三大会(秋季・春季・NHK杯)の結果から、シードは①佐賀北、②佐賀商、③神埼清明、④神埼となっています。
シード校を中心に、主に今期の結果を基にした有力校の展望です。

佐賀北

秋優勝、春優勝、NHK準優勝と今期は3大会とも決勝進出している第1シード。NHK杯決勝でタイブレークの末、佐賀商に敗れたのが、今期唯一県内の公式戦での敗戦。県外では、秋はウェルネス(沖縄)に初戦敗退となりましたが、春は熊本商(熊本)にコールド勝利のあと、次戦で西日本短大付(福岡)に敗れました。

最近の佐賀での秋春連覇と言えば、2021年の東明館。この年の東明館はバッテリーが良く、さすがに今年の夏は東明館が初出場するだろうという堅さがあり、期待通り甲子園初出場を決めました。当時の東明館と比べても今年の佐賀北は同じくらいの期待感があります。

高栁、宮副、田中の3投手がそれぞれ公式戦での登板経験が十分にあり、特に春以降は1失点以下で快勝する試合が多く、投手陣の安定感、投手層という面で県内では投手力で頭一つリードしていると感じます。

佐賀商

NHK杯優勝で一気に夏の戦線に浮上してきたのが第2シードの佐賀商。秋は3回戦で佐賀北に、春は準々決勝で神埼清明にいずれも1点差の惜敗。特に秋は佐賀北にタイブレークの末の敗戦でした。鶴田を中心に、かなり多くの投手が公式戦を経験してはいますが、どちらかというとまだ軸となる投手を模索しているような起用に見えました。NHK杯でも4試合で23失点とかなり多い中での優勝。そんな接戦が多い中でも公式戦を勝ち抜いて優勝したという経験は、伝統校として自信になったでしょう。

前回は2018年に夏を制して甲子園に出場している佐賀商ですが、当時は1年生から公式戦で活躍した木村投手が3年生となった年でした。木村投手は1年秋に九州大会で2勝するも甲子園に縁がなく、最後の夏に「そうだ、佐賀商には木村がいた」と思い出させる活躍でした。そういう、チームを甲子園に導く頼れる選手が出てきてほしいところです。

神埼清明

第3シードが神埼清明。昨夏の準優勝校。そして今期は秋、春、NHK杯といずれも4強まで勝ち進んでいます。その3大会全て佐賀北と対戦して敗れています。逆に言うと佐賀北以外には負けていません。昨夏の決勝でリリーフ登板した鍵山投手が今年のエース。秋は5試合全て1人で投げ抜きました。非常に安定感のある投手で、公式戦1失点以下の試合がかなり多く、他校はいかに鍵山投手を攻略するかを考えてくる事でしょう。春以降は、二番手以降の投手を模索する場面もありました。夏は鍵山投手の負担を上手く軽減していけば、初の甲子園が見えてきそうです。

最近、佐賀で夏の甲子園初出場を果たしたのは2021年の東明館、2017年の早稲田佐賀などがあります。これらの初出場校は、初優勝する数年前から秋や春の大会での優勝経験があり、ようやく夏の切符を掴んだ、という勝ち方となりました。その点、神埼清明はまだ県内公式戦でトーナメントを優勝した事がありません。

近い世代で、県内公式戦を勝ち抜いた経験がなくて甲子園初出場を掴んだのは2013年の有田工。この年は古川投手(現ソフトバンク)がチームを牽引しました。高校生の中にひとり社会人か大学生が混ざってやっているかのような存在感の選手でした。鍵山投手がどこまでやってくれるか、夏の予選の注目ポイントです。

神埼

春準優勝で第4シードになりました。シード4校の中では力が落ちるかなという印象があります。秋は初戦で伊万里実に敗退、NHK杯は早稲田佐賀に勝って龍谷に敗れました。

神埼の特徴は打線の破壊力。春季大会は顕著に表れていて、致遠館に11得点、東明館に15得点、敬徳に14得点と大量得点で勝ち上がりました。一方で、失点も多く、敬徳に11失点、佐賀北には12失点完封負け。同じくらいの力の学校には4、5点取られるので10点取って勝つような傾向です。夏も同じように、打線の奮起に期待する戦い方になるように思います。

有田工

ノーシードで最も不気味なのが有田工。昨夏の優勝校です。昨年は塚本投手という打順は1番に入る投打の柱がいました。2013年甲子園初出場時も古川が投打の大黒柱でしたが、今期は模索の1年を過ごしてきたように思います。昨年はベンチ外だった篠原投手が先発する事が多いようですが、複数投手での継投が多く、また捕手も定まらなかったようです。田舎の公立校では、コンバート自体は珍しい事ではないですが、昨夏ショートで甲子園フル出場した選手が捕手をやったりしています。

そういう中で、NHK杯伊西地区予選全勝、本大会では東明館に勝って神埼清明に敗退。その後、13校で開催された県西北部大会で優勝。実は昨年もNHK杯は1回戦で敗れ、さすがに有田工の春夏連続出場は難しそうだと思われたところから、西北部大会優勝、夏も優勝とつなげてきています。昨夏と同じ、西北部大会優勝でいい感触をもって最後の夏を迎える事ができそうです。

龍谷

ここもノーシードで怖い学校の1つ。秋は初戦敗退、春も初戦敗退(不戦勝があったため3回戦敗退)。しかしここから、NHK杯予選の佐賀市長旗で優勝、NHK杯で4強まで仕上げてきました。春から夏にかけて徐々に結果を残してくる傾向があるのが龍谷です。2015年夏に甲子園出場しましたが、それ以降の7年間で4度、夏の予選で4強まで残っており、甲子園大会が開催されなかった2020年のSSP杯(独自大会)で優勝しています。

分かる限りの公式戦では、すべて3人以上の継投となっていて、チーム間での競争というところでしょうか、先発投手も定まってはいない様子でした。昨夏も佐賀商を完封するなど主力投手の1人だった、谷川投手が3年生で最後の夏ですが、この投手をあえて隠しているのか、それとも調整中なのか、不明ですが、伝統的に夏には仕上げるチームなのでどのブロックに入ってくるのか気になる学校です。

唐津商

夏に照準を合わせると言えば唐津商。龍谷同様に、最近8年間で5回の夏4強、甲子園出場1回。今期あまり目立った成績がないとはいえ、NHK杯の唐松地区予選で優勝。夏の勝ち方を知っている学校がどのブロックに入るか気になります。

東明館

秋は4強も、春以降は失速。それも春は神埼に15失点、NHK杯も有田工に15失点と東明館らしくない大量失点が続いています。秋は飛松投手の登板が多かったのですが、春以降は他の選手も台頭しています。直近5年くらいでは、県内公式戦では最も実績のある学校ですので、2021年に続く2回目の出場をできるだけ早く決めたいところです。

組み合わせ抽選は15日、開幕は来月8日。
予定通りに進めば、7月23日に佐賀代表が決まります。

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