淡雪
冬の風物詩の代名詞といっても過言ではない「雪」
ほとんどの場所では冬にしかみることも、触ることもできない
特別な存在です。
触るとなんとも冷たいことは言うまでもないですが
手のひらに載せるとすぐに溶けてしまう
とても儚い存在でもありますね。
時が経つのははやいもので
新しい年を迎えてから1か月という時間が流れました。
特に今年(2024年)の年明けは大きな出来事がいくつもあり
中にはそれを実感することができない人もいると思います。
それでも、時計の針は進んでしまう。
ほんとうに世界って残酷ですね。
如月とは2月の旧暦だということは
ほとんどの方がご存じだとは思いますが
実はほかにもいくつもの表現があります。
たとえば
仲春(ちゅうしゅん)。
春に向けて少しずつ暖かくなっていく時期のことを指したそうです。
それから
「雪消月」
「ゆきぎえづき」あるいは「ゆきけしづき」
と読むそうですね。
この文章を書くために開いた辞書には前者の方が載っていました。
文字通り雪が消えはじめる月だから
この名前が付けられたのでしょう。
雪国に住んでいる人々にとっては
雪は天災ともいえる事態を引き起こします。
雪はとても重いですから、それをどけるのにも一苦労です。
それをほぼ毎日している(しなければならない)人々にとっては
待ち遠しい季節であることは間違いないでしょう。
とはいっても、いいかえれば
冬にしか見れず、しかも少しの熱で溶けてしまう淡い存在。
なんだか少しさみしい気がしなくもないですね。
ところで2月にはバレンタインデーがありますね。
お菓子業界の戦略が功を奏し
日本では長い間、謎にチョコレートを贈り合っていますね。
少女マンガなんかでよくみる
「バレンタインデーに、チョコといっしょに想いを……」
なんてことを現実でトライしてみた
あるいは誰かがそれしているというのを観ていた方もいるかもしれません。
最近は友チョコなどのほうが主流のようですが
大体は形骸化しているようにも感じます。
そもそも渡してしまったらそれでおわり。
そのあとその人のことを考えるなんてことないかもしれませんね。
ですが、
淡い想いをこめてチョコレートを作るって
文章にしてみるとけっこうエモいかもいしれません。
もしも触ってしまうと体温で溶けてしまうチョコレートに
その淡い気持ちを混ぜるわけです。
そう考えてみると
雪とチョコレートってスゴク似ていますね。
どちらも少しの熱で溶けてしまう淡い存在ですし
ある程度の量でしたら美しいキレイかもしれませんが
多すぎると重くなってしまいます。
悩ましい限りですね。
2月に送るその淡い気持ちは
雪消月に雪と一緒に少しずつ、その気持ちもとけてしまうのか……
はたまた、仲むつましい春を迎えることができるのか……
いずれにせよ、時の流れという残酷な存在に抗えないのがニンゲン。
雪のようにはかなく、すぐに溶けてしまう時間がムダにならないよう
想いを伝えてみるのも
悪くはないのかもしれませんね。
※画像は生成AIを活用して制作しました。