グリフィンの羽根 –ショートショート–
私1人で育てられるのだろうか。。。両親がいない私には子育ては不安でしかなかった。
⌘⌘⌘
大学3年の夏、ボート部の部長と恋に落ちた。
一夏の恋だなんて思ってもいなく。。。
むしろ会うたびに彼への思いは募っていった。
所がそれからたった3ヶ月後、彼に新しい彼女ができた。
それは仕方のないことと思ったけれど、ある日生理が来ないことに気づいて病院へ行くと、「おめでとうございます」と。。。私はその時不安で号泣した。
でも、今こうして優平を見ていると、本当に産んでよかったと心から思っている。
「ママ、見てみて!」何度もランドセルを背負ってはクルクルと回って見せる。
「明日から、小学生だね。もうメソメソ泣いちゃだめだぞ〜!」そう言いながらも、泣き虫なのはきっと私ゆづり。間違いなく低学年の間はビービー泣いて帰ってくるに違いない。
⌘⌘⌘
「ママ〜〜。。。」
「あらまた泣いてるの?そんなに泣いたら明日雨降るよ〜」
「ダダダダメだよ〜」って言いながら、ちっちゃい目から飴玉みたいな涙がボロボロ流れてる。涙の理由は友達との小さなケンカ。
「ねえ、優平聞いて。ママがどうして優平って名前にしたかと言うとね。誰にでも平等に優しい人になって欲しいって思ったからよ。だから、ケンカした友達に今度あったら、ちゃんと謝るのよ。」
そう言うと、優平は取り敢えず頷いて見せた。
「ママ、明日ピクニックでしょ。雨はいやだー」とまた泣き出した。
泣き止ませるには昔から絵本の読み聞かせが効果的だった。
「優平、ママね素敵な絵本を見つけたの。優平にもギギみたいに強くなってもらいたいなって。ご飯食べたら読んであげるね。」
⌘⌘⌘
「少年ギギの旅。
あー何て可哀想なギギ。。。そういってお婆さまがボクを抱きしめた。。。。。。。」
優平はとても表情が豊だ。悲しい顔をしたり、ワクワクした顔をしたり、時々私の方を見ながらうなづいたり。グリフィンが出た時には両手を広げて、「このくらい大きいの?ママ?」って何度も何度もリビングを走り回った。
読み終えた時、優平はしばらく黙り込んで、「ママ。僕が大きくなったらママを守るからね!ギギみたいに強くなるぞ〜!」そう言って私にハグをした。
「でもね、僕にはグリフィンがいない。。。」そう言いながらまた涙目になってる。
「優平。グリフィンは時々屋根の上に止まってるよ!えっ?まさか見たことないの?」
その言葉がトドメを刺して、ギャンギャン泣きだした。
⌘⌘⌘
翌朝、優平は起きるなり、裸足のまま玄関を飛び出して空を見上げた。
「ママ!見て!グリフィン!会いに来てくれた!夢に出てきたんだ。
僕もギギみたいに強くなれるって。ずっと空から見てるって!」
台所で優平の好きなタラコおにぎりを握っていたら、上から何か落ちてきたのが見えた。
優平は得意げに羽根を持って戻って来た。
「グリフィンからだよ。ママ!」
それは確かに鷹の羽根だった。
相変わらずcofumiは、子供じみた物しか書けん😹
鶫ちゃん、取り敢えず納品するので、受け取っておくんなまし。
こちらの企画参加作品になります😊
文中に出てくる『少年ギギの旅』👇
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#第3回THE_NEW_COOL_NOTER賞_9月参加