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Photo by
himeno_omeme
「冬」-詩-
カイロをペタペタ背中に貼って
待ちきれない気持ちで外にでる
去年よりも、5年前よりも
ずっとずっと前よりも
少し不便になってきて
冬は年齢を重ねていることを自覚させられる
ゆき
ふわりと
まつ毛に、手のひらに
景色を彩っていたのは
花や鳥だけではなかったはず
白い雪に覆われた公園は
記憶をたどりながら
歩かなくてはいけない
チューリップに紋白蝶
そしてあなたの声が
前髪をゆらす
思い出を映しだすには
冬の公園はちょうどいい
ひんやりとした
冷気を飲み込む
ズボズボと埋まる足
誰も後ろにはいない
こうして ひとりで
終わりへと向かうのだろうか
自分の足跡だけを残しながら
雪が降る日は全てが
呼吸をひそめている
あなたは 何度も振り返りながら
私の姿を探すかしら
最期に会いたかった人が
私であってほしい
まだ先のこと
でも誰にもわからないこと
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