箱の中身が的中する
師匠のもとで易を学びはじめてからは、学べば学ぶほどに新しい世界の扉を開く感覚で、毎月授業に通うのが楽しみで仕方ありませんでした。その中でもとくに印象に残っているのが「箱の中身を当てる技」を試した回でした。
『射覆(しゃふく・せきふ)』といって、易占を使って箱や布で覆われているものの中身を言い当てる、言わば透視術です。(「透視術」ってタイピングしてみたけど、読んで字の如く怪しさが否めません笑)
日本では、平安時代に当時の天皇が掌の中に隠した石の数などを言い当てる遊びにこの占術を使っていたと、『日本三代実録』(平安時代に編纂された歴史書)に記録が残っているそうです。江戸時代には特に盛んで、易者達がもっぱら力比べにこの射覆をやってみせていたそうです。
で、なにが面白いかというと、本当に箱の中身を当てることができるのです。私もその一人としてその場にいたのですが、数字や論理だけでは説明しえないことがこの世界には普通にあること、これを目の当たりにする体験でした。
師匠が「何か」を入れた箱を部屋に持ち込み、私たち(その時はおそらく5名ほど)の目の前に置く。そして、私たちはその箱に意識を向けて「箱の中身は何か?」を問い、コインを振って立卦する。
立卦結果は五者五様なんですが、それぞれが読み取った結果を持ち寄り、討議を重ねて結論づける。その時の私たちの回答は「チンアナゴ」で、実際の箱の中身は「ウツボ」でした。完璧な的中ではないものの、何が入っているか分からない中で当てに行くという意味では、ほぼ正解の域でした。”海底に生息する細長い生き物"という特徴をとらえていました。これには師匠も驚かれ、聞くと代々の生徒で的中させたのは今回が初めてだったそうです。
(師匠のブログ:前半にこのことが書かれています)
ちなみに、その後もう1回トライしました。
結果は大外れ。
(実際には一人の卦には箱の中身と読めるものが現れていました)
ですが、なんと私たちの回答は「直前まで入れようとしていたもの」だったのだそうです。
初めの的中体験も感動でしたが、この「直前まで入れようとしていたもの」が卦に現れていたことの方が、個人的にはかなり興味深く思ったことを覚えています。意識って当たり前に目に見えないものですが、目の前にあった箱は、その所有者の直前まで考えていたことをまとってそこに存在したわけですから。さらには、五人のうち1人の卦には箱の中身と思われるものが現れていて、同じ場所で同じように立卦しても、それぞれが受け取る情報に差が出るということも考えさせられる点でした。
この射覆は当てものなので余興色が強いですが、これと同じような方法で、実際には失せ物や失せ人を探すということもできます。もともと非常に難易度が高い読み取りなんですが、私も過去に一度だけ失せ物を見つけることがありました。
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今日は易占の面白さをちょっと共有したくて、こんな記事を書きました。またこれからも少しずつご紹介していこうと思います。
お読みいただきありがとうございました!
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