私が「聴く」理由
ある時、日本の若年層の死因は「自殺」が一位というデータがあり、先進国では日本だけに見られる状況だと知った。それ以来、日本の若年層に何が起こっているのか日常的に気にするようになり、生きにくさの原因や人間社会のコミュニケーションの変化・社会問題にもより意識が向くようになっていきました。
自殺に追い込まれる心理は孤立感や絶望感・心理的視野狭窄などが関係していることは知られているけれど、その心理状態は年齢・性別・職業に関係なく、原因もきっかけも人によって違うのだろう。
そのようなことを考える日々の中で、ひとりの人間が自殺に追い込まれる前に他者ができることを考える必要がある気がした。まずはゲートキーパーや傾聴の養成講座へ足を運び、心理カウンセラーや精神対話士の資格取得に向け行動をしてみた。
各講義にはたくさんの気づきと学びがあり、受講によって気づきもあった。
その一つは、精神対話士や心理カウンセラーを必要としない社会を目指すためには何が必要なのだろうという課題でした。
私一人がその課題に向き合ったところで…
そもそもその考えは正しいのだろうか…
そんなことも思うけど、何ができるかわからないけど、まずはその課題に向き合ってみないと何も始まらない!と思ってしまいました。
支援の現状について…
厚労省や文科省などの行政機関では、自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指すとして自殺防止対策に取り組んでいます。対策の中には職場・地域・学校における心の健康づくりを推進する内容もありました。
しかし、現状では各自治体に電話相談窓口があっても電話が繋がりにくいとか、心療内科の受診予約が取りにくい状況と聞きます。また会社が委託するカウンセラーに相談するのは抵抗があるという声も聞きます。
まだまだ追いついていない気がしました。
支援とは…ケアとは…ともやもや考えながら、心のケアを必要とする人を増やさないためにはケアを必要としない人の心の健康を保つことも欠かせないと確信しました。
心の健康を保つという点において、話すことは有意義なことです。私はその「話す」に「聴く」で向き合おうと思っています。
誰にとっても自分の想いを表出する行動はストレスを軽減・予防できるセルフケアの一つです。自由に話せることで心の解放につながり、落ち着くこともあります。
悩みがあっても無くても多くの人が話す時間が作れるようにしたい。多くの人が話すことで少しでも自分の幸福度が高まる感覚が持てたらうれしい。
それがわたしの聴く理由なんです。