【読書感想】あの本がこの本で、この本があの本…ってコト!?
合わせ鏡。
ずーっと見てると、一体どこまで続くのか不安になって、しばらくすると目を離してしまいますよね。
その瞬間、奥の方に人影が映り込んだような気がして、
ぞくりとしたり。
そんな底冷えする気持ちにさせてくれるのが、
恩田陸さんの『三日は深き紅の淵を』です。
ざっくりいうと、『三日は深き紅の淵を』という伝説の本を巡る短編集になっています。
どれくらい伝説か例えるなら、
ONE PIECEの“ひとつなぎの大秘宝”レベルです。
探せ…っっっ!!!
この世の全てをそこに置いてきた…!!!!!
ドン!!!!!!!!!!
…と、いう感じなのですが、
ONE PIECEほど明るくないです。
むしろ読むと憂鬱な気持ちになります。
ぜーんぜん『三日は深き紅の淵を』の実態に辿り着かないし、
近づいたと思っても実態が掴めない。
虚像のような物語です。
特に第四章は、自分が一体何を読んでいるのかさっぱり分からなくなります。
小説というよりも、散文というような…
立派な考察をしてみたいものですが、
残念ながら私の力不足でそれもできず。
おそらくこの本自体が、小説に書かれている『三日は深き紅の淵を』そのものということなのでしょうけれど…
(題名モロ被りですしね)
いや、だとしても色々と矛盾するところがありますし…
私に分かるのは、
序盤に出てくる犬が可愛いということだけです。
気になる方はぜひ読んでいただいて、
どう思ったかコメント頂ければ嬉しいです!