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ダマスクローズは肌にいいのか?


ローズといえばどんな効果?


燃えるような赤、鮮烈な黄色、可憐なピンク…様々な種類があり、人々を魅了し続ける花、ローズ。花の女王と称されることもあるこの花は古くから様々な効果があるとされてきました。弊社で使用している、ダマスクローズの産地ブルガリアでは、健康のお守りとしてローズウォーターをティースプーン一杯飲んでいたとか…。
さて、ローズといえば美肌効果がある、ホルモンの分泌を促す、抗酸化作用などあらゆる効果がうたわれています。少しネットで調べると様々な記事が出てきますが、それがなぜそのように言われているのかというエビデンスに乏しいものも存在するようです。弊社では商品開発当初からダマスクローズの精油や蒸留する際に出てくる花水(ダマスクローズウォーター)を使用してきました。今回、今までHANAが蓄積してきた資料、そして発表されてきた論文から改めてダマスクローズの効果について整理していきたいと思います。

大量の成分の結晶、ダマスクローズ


ダマスクローズは実に数百種類の成分からなるまさにあらゆる天然成分の宝物庫。しかし、その成分一つの分離が難しかったり、あまりにも微量であるがゆえに完全にその成分一つ一つを調べつくすにはいまだ至っていません。なぜなら有効成分の多くは香りに含まれ、その香りは明け方、日差しと共にダマスクローズのつぼみが花開いたその瞬間から、揮発していってしまうからです。いい香りがしてしかも体にとっても良い働きをしてくれるローズのどの成分がどの働きを持っているか、一つ一つ説明していきます。

ローズの成分、女性にいい訳


・精油に含まれる成分
シトロネロール:バラの香りの主成分とも言われる成分。シトロネラと呼ばれる精油にも含まれ、抗不安作用、副交感神経を優位にする作用もあります。また、蚊よけの作用もあるそうですが逆にダニを誘引する元にもなるのだとか。
ゲラニオール:ローズの香りと称される代表的な香り。実はゼラニウムから発見されたのでゲラニオールという名前がついたんです。抗菌作用や抗真菌作用、抗うつ作用やエストロゲンの分泌を助ける働きもあります。ゲラニオールについては詳しくピックアップします。
モノテルペン化合物:マスカットや熟した果実に多く含まれる成分であり、その香りは非常にフルーティです。実は2016年のローズウォーターヌーボーはこの成分の一種が例年と比較して数十倍の含有量だったらしく、マンゴーのようなねっとりした香り、という風に表現されていました。
リナロール:グリーン系、と表現される香りであり、スズランやベルガモット、ラベンダーに含まれる香りです。抗ウイルス作用、抗菌作用の他、抗不安作用もあるのだとか。
テルピネオール:モノテルペン化合物の一種。抗アレルギー作用、喘息の抑制、胆汁の分泌促進、催眠作用などさまざまな効果を有します。咳止めにローズウォーターを使ってきたブルガリアの民間療法は話が間違っていなかったと言えます。また、近年の研究で脳の作動領域の記憶力を高めるとされ、認知症予防にも効果があることが解明されています。
ネロール:甘みのある香りとされ、皮膚弾力作用、自律神経を整える働きがあります。皮膚弾力とは、いわゆるお肌の「ハリ」の事。年齢を重ねるとしわやたるみが気になるというお声を頂戴することもありますが、この成分が効果的であるとされています。また、自律神経を整えることでいらいらや冷え、不眠症、なんとなくたまっている疲労感などを緩和する働きも。
オイゲノール:少し刺激のある香りとされるこの香りは、シナモンやクローブ、ローリエなどのスパイスにも使用される植物に含まれている成分の一種。消毒作用や鎮静作用があります。
酢酸ゲラニル:シトラスのような柑橘系の香りでレモングラスやネロリ、パルマローズにも含まれます。抗炎症作用があるとされ、肌の赤みやピリピリとした刺激を落ち着かせてくれます。
フラボノイド化合物:一般的にはポリフェノール類と呼ばれる化合物。高い抗酸化作用やUV吸収作用があるのだそうです。フラボノイド化合物であることは確かですが、具体的な成分についてはまだまだ研究中だとか。

・精油を取り除いたローズウォーターに含まれる部分※
フェネチルアルコール:ローズウォーターの主成分でもあり、バラの生花に含まれている香りです。精油だけではなんとなくバラの香り本来の香りがしないという違和感を持つ理由の一つに、このフェネチルアルコールの存在があります。このフェネチルアルコールには選択的抗菌作用という効果があり、肌にとって悪い菌の働きを優先して抑える働きがあります。カンジダ菌にも優位に作用したという研究結果も存在するほど強力でありながら、濃度によってその働きをコントロールが出来る優れた成分です。
※一般的にローズウォーターは精油を取り除いて残った蒸留水部分を使います。精油成分もわずかに含まれますが、それとは別に水溶性の蒸留水部分にのみ含まれている成分があります。また、HANAオーガニックは精油を取り除かない貴重なローズウォーターを用いています。

肌のターンオーバーの促進にローズが有効!?


2013年に発表された論文に、なんと女性ホルモンと肌のターンオーバーが密接にかかわっているという内容が記述されていました。新しい細胞を作る際、増殖する際、垢として剥がれ落ちるための酵素の働き…皮膚の重要な場面において女性ホルモンの成分の一つが優位に働くとのことです。ダマスクローズの成分の一つ、ゲラニオールには香りをかぐことで女性ホルモンの分泌を促す効果があります。女性ホルモンであるエストロゲンが盛んに分泌されると皮膚下のコラーゲンやヒアルロン酸も分泌量が増え、さらにお肌のターンオーバーが正常になることで透明感があり肌トラブルのない肌へ生まれ変わっていく。アロマテラピーにもなり、女性にとって嬉しい働きがある。定期的に取り入れたくなってしまう成分です。

ちなみに


弊社の副社長、林田曰くは「ローズの香りが飛び込んできたとき、涙があふれて止まらかった。女性にこれを届けたい」と思ったのだとか。ローズには副交感神経を優位にする作用があり、副交感神経が優位になると人はリラックスするだけではなく嬉しい、感動した、など情緒が豊かになるのだとか。
ちょっと疲れたなという方は是非バラを一輪買って帰ってみてはいかがでしょうか。私のおすすめはローズではないものの、大まかな成分構成の似ているローズゼラニウムです。葉っぱをこするとローズの香りが楽しめますし、ちょうど5月になるとピンク色の可愛い花が咲き始めます。緑色は心をリラックスさせる心理効果があります。心に無理のない程度に、ローズの香りを日々の生活に取り込んでみてはいかがでしょうか。

参考文献
フェネチルアルコールの生理作用(中村,1968)
カンジダによる皮膚感染症に対するローズウォーターの可能性の検討(丸山、安部,2015)
女性ホルモンが皮膚のターンオーバーに及ぼす影響の検討(萩原、西田,2013)
日本アロマ環境協会サイトhttps://www.aromakankyo.or.jp/

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