生成AIがSEO記事を作る時代に、ライターの私にできることは何だろうか?
――AI記事で上位表示。
――AI記事で時間短縮。
――SEO記事を、自動作成。
そのようなキャッチコピーを、Google検索で見かけるようになりました。
SEOライターからキャリアをスタートした私にとっては、とても他人事とは思えなくて、複雑な気持ちでこの強烈な変化に向き合っています。
もう、人が記事を作る必要性がなくなってしまったのか、と。
最近では、Web制作やIT事業を掲げている企業様で、生成AI活用を商材に加えているところが増えてきました。サービスが増えていけば価格競争も起きて、低コストで導入できるものも出てきます。
そうなれば、ますます、”ライティング✕生成AI”は当たり前になっていくことは容易に想像できます。
noteにはライターの方々が多くいらっしゃるので、不安にさせてしまったら申し訳ありません。でも、立ち止まって考えてみたくなったのです。
ライターはどうなるのか?
私は、どこへ向かえばいいのか?
さらなる量産か、品質向上か、その両者か。このAI時代に、私はライターとして何をしていくべきなのだろうかと考えています。
いまの私が思いつく、ライターにできること
いまの世の中で、ライターがやれる領域としては、いくつかの選択肢があると思っています。
まずは、人だけにできること。人だからこそ可能性が広がること。私が思いつくことを挙げてみます。
【人だけにできると私が思うこと】
AIが回答しづらいコンテンツの企画・執筆(AIがまだ学習できていない最新情報や、公になっていない情報、専門的な情報を扱う分野)
取材において人の力が必要なステップ(個人の感性で選ぶ取材先選定、個人の信頼に基づいて実現する取材セッティング、インタビュー、その後のやり取り)
リアルの場での企画・プレゼン、登壇
知名度やSNSでの拡散力を持って、コンテンツを広めること(インフルエンサーになること)
個人対個人、フェイス・トゥ・フェイスでの教育
人間だからできることは、対面だからこその安心感、人の手だからこその信頼・技術、仕事や活動に対する熱量など。
その人が持つ確かな制作力と対応力、影響力にあると思います。
【人がAIを使ってできること】
AIが提案する記事のタイトル・本文を見て、使うかどうか判断すること
AIの提案を参考に、品質をチェックして編集・リライトすること
情報収集、データの分類・分析など、企画や執筆の過程でAIツールを使うこと
文章添削でAIを活用して、記事品質を高めること(誤字脱字チェック、文法ミスの修正、表現を工夫して訴求力を強めること)
SEO記事の仕事も、完全になくなったわけではなくて、いまのところはまだ募集も見かけます。
「生成AIを使ってほしい」との条件は珍しくないので、AIも使いこなしていくスキルが、生産性を求められる現場のライターには必要です。
AIに2つのことを聞いてみた
GoogleのAI【Gemini】にも、疑問を投げかけてみました。①ライターが生成AIを使ってできることは何か、②人にしかできないことは何なのか、それぞれ紹介します。
Q.ライターが生成AIを使ってできることを教えてください
私もアイデア出しの段階で、AIを使うことがあります。今までも辞書を引いたり、人に相談したり、別の参考資料を持ってきて材料を集めて検討していましたが、そこにAIツールが加わったという感じです。
上記のAIが答えてくれた中で、興味深いなと思ったのは「AIに任せすぎると、人間らしさが失われる可能性がある」という一文です。人間らしさが文体や中身に現れるテキスト作成は不得意で、事務的な・画一的な文章なら生成しやすいということなのでしょうね。
その意味では、SEO記事と生成AIは相性がいいというのは、そのとおりかもしれません。
Q.ライターの仕事において、生成AIには不可能で、人にしかできないことはありますか?
独創性や創造性、個人の意見にもとづいた文章の作成は難しい、とのことでした。AIはあくまで大量のパターンから選んだ回答にしかならない、と。
なので、ライター個人の力で記事に付加価値をもたせるのであれば、「自分の意見・体験をとりいれていく」であったり、「誰かの意見・経験を記事にいれる」こと。この両者を積極的に行うことが、AI記事とは異なるコンテンツをつくる方法に繋がります。
ただ、それが仕事上で求められるのかというと、それはまた別の問題だと思います。
この時代に必要とされるものが何なのかは、私も見つけていかなければなりません。
生成AIで記事を作って、Googleからペナルティを受けないのか?
個人的には、生成AIで大量作成した記事がGoogleでペナルティを受けないのか、評価されづらくないのかという点は気になっていました。
この点については、Googleのブログにガイダンス(2023年2月時点)がありましたので紹介します。
上記のブログから、一部引用します。
前提としては、「検索結果のランキング操作を目的に生成AIを使うと、スパムに関する Google のポリシーに違反する」ということ。
しかしながら、AIの台頭はテクノロジーの発展であり、人々の可能性を広げることにある。それはGoogleの理念とも一致するため、新たな方法(生成AI活用)で情報発信を行うことを認める。同時に、優れたコンテンツを維持する。
「制作方法を問わず高品質のコンテンツを評価する」のいうのが、Googleの方針です。平たく言えば、Googleは生成AIを使ってもいい、ただし品質重視のスタンスは変わらないと言っています。
良い記事を作ることは当たり前、その先に何を見るか
私も良い記事を作ること、正しい情報をそれを必要としている読者の方々に適切に届けたいという思いが根底にあります。Googleが変わらずに高品質のコンテンツを評価することには納得できました。
であるならばやはり、高品質のコンテンツを作ること。
作り上げたコンテンツを広める力を持つこと。そう尽力すること。
それらの経験・ノウハウを周囲に伝えて、協力しあいながら、理想とする世界やあり方を目指すこと。そして、実現すること。
世の中の情報発信や、それを受け取る方法もGoogleだけではないけれども、無視できない存在ではあります。
その中で私にやれることは何なのか、どのように貢献していくかは、今後も自分の中でのテーマとして見つめ続けていきたい課題です。
▼1年前にAIについて書いた記事です