SaaSスタートアップのシリーズと開発体制の特徴
スタートアップのシリーズには、様々なシリーズがありますが、SaaSプロダクトと開発チームの目標をわかりやすく説明するため、
シリーズを
・シード
・プレシリーズA
・シリーズA
・シリーズB
・シリーズC以降
に分けています。
各シリーズについて詳しく説明していきます。
シードシリーズ
シードシリーズは、プロダクトがない状態です。
このシリーズでは、顧客のニーズを見つけ、プロトタイプや、MVP(Most Variable Product)と言った最小限のプロダクトを作成し、最初の顧客を見つけることが目標になります。
不安定で、サービスが大きく変わる状況です。開発チームもできるだけ柔軟な状態にしておくことが求められます。
プロダクト
プロダクトはない
目標
ニーズを見つけ、小さなSaaSプロダクトを作成してリリースする
開発体制
ピボットや撤退の可能性は高い。出来るだけ体制を固定しない、抱えない開発体制が必要
プレシリーズA
プレシリーズAは、荒削りだけれど、プロダクトがある状態です。
このシリーズでは、PCF(Product Customer Fit)つまり、プロダクトを顧客に合わせていくことが目標になります。
プロダクト
プロダクトはあるが、プロダクトが荒削りで顧客に合っていない
目標
プロダクトを改善して、利益率の高いプロダクトを作成する
開発体制
PDCAを回し、素早くプロダクトを改善するためにアジャイル開発が必要
しかし、時期によって開発量にバラツキがあり、開発チームの固定は避けた方が良い
シリーズA
シリーズAでは、プロダクトのPMF(Product Market Fit)前後のシリーズとなります。
プロダクトは顧客のニーズを捉え、PMF以降では、プロダクトを使用出来る環境の追加やPR方法の適正化などをして、プロダクトのユーザー数や売り上げを増加させることが目標になります。
プロダクト
顧客に合ったプロダクトを作成できている状態。
目標
顧客の使用する様々なシーンに合わせてプロダクトを多くのプラットフォームで使用できるようにする
開発体制
様々なプラットフォームや流入経路、ユーザーの使い方が増え、開発チームが急激に大きくなります。
開発チームの主要なポジションは安定してリソースを確保すると同時に、開発者をまとめるマネジメント層が徐々に必要
シリーズB
シリーズBでは、プロダクトのユーザーを十分に獲得し、売り上げが黒字になり利益を十分に出すことができるシリーズです。
プロダクトのユーザーと利益を確保できたことから、ユーザーあたりの利益を増やすために、各ユーザーへのサービス数を増やしたり、グレードの高いプランを追加したりします。
プロダクト
顧客に合ったプロダクトを多くのユーザーに提供できている
目標
各顧客あたりの売り上げや利益を増加させる
開発体制
各ポジションの安定したレベルの高いリソースの確保、規模の大きい開発チームとそれをまとめるマネジメント層が安定して必要
シリーズC以降
シリーズCでは、単一のプロダクトだけでなく、これまで獲得したユーザーやプラットフォームを活かし、新たなプロダクトを組み合わせ利益を増やしていきます。
プロダクト
最初のプロダクトを高い利益率を達成し、成長し続けている。
目標
最初のプロダクトの顧客や知名度、プラットフォームを活かし、他のプロダクトを作成する。
開発体制
レベルの高い規模の大きい複数の開発チームとそれをまとめるマネジメント層
シリーズごとにSaaSの目標と開発チーム体制を明確にする
まずはSaaSのプロダクトの目標と開発チーム体制をシリーズごとに明確にすることが大切です。
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