【22歳女】人肌恋しい夜は
最近、何も予定のない金曜の夜が寂しい。次の日は休みだから朝まで飲み明かすことだってできる。だからこそ、手持ち無沙汰な夜は心細くなってしまう。
会いたい人がいる。もっと話したい人がいる。でも私には、「会いたい」「話したい」、その一言を伝える勇気がない。誘うより誘われたいというプライドが、どうしても私を支配してしまう。
昨夜もそうだった。昨夜は幸い眠気も同時にやってきたので、寂しさを抱えながら眠ってしまった。夢に会いたい人が出てきたけれど、夢の中で彼は去ってしまった。彼の去り際、「行かないで、行かないで」と必死に話す自分の声で目が覚めた。
会いたいと思っていた矢先、すぐに夢に出てくるなんて。これは本当に恋をしているんだと思った。こんなにピュアな恋心を抱いたのは、久々だった。
でも、彼はどうやら特定の相手を欲していないようだった。なんだか遠回しにフラれた気分。ただ私も同時に、今自分が本当に彼氏という存在を必要としているのかわからなかった。だから、恋心を抱きつつ、自分でもその恋の着地点が見当たらないのだ。
収めようのない不安に駆られる。時が過ぎて、片思いがいつか自然と消えるのを待つしかないのだろうか。いや、きっとこのもやもやは、私の心の持ちようで今でも落ち着かせることはできるのだとも思う。世界は自分次第で、単純にも複雑にもなると信じているから。
ふと、最近よく聴く曲のフレーズが頭に浮かんできた。そうだ、まだ手にしていない愛に飢えるより、今あるものを思い浮かべてみよう。そう思うだけで、ふっと気持ちが楽になる気がする。
たまに連絡をくれる両親、兄弟、不純な恋の話を聞いてくれる友達、人生の相談に乗ってくれる元のインターン先、大きな会社、優しい同期、広くて不自由ないアパート、愛おしいぬいぐるみ、最高な香りのアロマキャンドル、女優ミラーの付いた立派なドレッサー、夢中になれるドラマ、可愛い洋服、炊飯器の中には美味しくて健康的な酵素玄米......。
思いつくままに挙げてみると、やっぱり自分は恵まれていると思った。ひとりぼっちの夜だからって、くよくよしている場合じゃない。いや、「涙の数だけ強くなれる」はずだから、くよくよするときはあってもいいかもしれない。でも、自分が恵まれていることも忘れてはいけないし、忘れたくない。
これからもふと、人肌恋しい夜が来るかもしれない。そんなときも一人の時間を謳歌できる、かっこいい大人の女性になりたい。それを目指して、これからも生き続けたい。