「君を守ろうとする猫の話」を読んで
「人間は誰もが君のように強い心を持っているわけではない。むしろそうでない者たちの方がはるかに多くなってしまった。
そういう弱い人間たちは、自信に満ち溢れた態度に容易に身を任せてしまう。
自ら判断し、自ら行動することには責任が伴う。
ならば、いっそ考えることをやめ、すべてを託してしまえば楽だろう。
そうやって、自分自身が積み重ねてきた真実を放棄してしまう。」
このセリフはこの本に登場する、トラ猫のトラの言った言葉だ。
私はこのセリフにどきりとさせられた。
私が20歳ころから今までずーっと取り続けてきた態度そのものを指摘されたからだ。
大人になってから、わたしは自分で責任を取ることが嫌で、「自身に満ち溢れたような人」にすべてを託しつづけてきた。
責任を取らされることが嫌で「自信のありそうな人」にすべて任せてきてしまった。
日本では、今、政治家の裏金問題で揺れているけれども、これらの問題も、もとを正せば、国民一人一人が責任を取らされることを恐れて、「自信のありそうな人たち」にすべてを委ねてしまっいたせいなのかもしれない。
また、こんなセリフも、わたしの目を開かせてくれる。
「成功する必要がないって言っているんじゃない。
成功よりもっと大事なことがあるって本は教えてくれるの。
困っている人がいたら、手を差し伸べること。
悩んでいる人がいれば、耳を傾けてあげること。
お金より大事なことがあること。
そういった理屈では説明できないことを教えてくれる。
今は多分当たり前じゃなくなっていると思うけど、昔はあたりまえだった。」
本を読むことで自然と得ることができた生き方のものさし。
しかし、今では1年間に1冊も本を読まない人が9割もいるという恐ろしい時代になってしまった。
当然知っているはずのことを知らないまま大人になる人が大勢いる。
これは恐ろしいことだ。
「人は1人で生きてるわけじゃない。
支えたり支えられたりしながら大変な毎日を乗り越えていくものなんだ。
辛いときにはいろんな人の力を借りればいい。
借りたものはまた返せばいい。」
私も双極性障害で入院した時はみんなに迷惑をかけてしまった。
今度は私が借りを返したい。
家族に対してだけでなく、社会に対しても。
この本には数々の古典の名作の本の名前がたくさん出てきます。
まだ読んでいない本もたくさんあるので、ぜひ読みたいです。
「君を守ろうとする猫の話」。私のおすすめです。