家で亡くなるということ、看とり
退院して1週間少し。
途中少し調子が悪くなった時も
「病院には行きたくない」と家を望んだ
Mさんの人生の最期を支援できたこと本当に感謝しています。
この1週間はほとんど毎日というくらい訪問して
ご家族に今後起こりえること
こうしてあげてほしいと思うケアを少しずつ伝えていった。
昨日の訪問時には呼吸が苦しそうになったり
痰がからんだようにカラカラしたり
目が開いたまま寝たりします
とお伝え。声をかけて返事がなくても反応がなくても
聞こえています。だからたくさん話しかけてほしいと。
昨夜呼吸が変化した。
もう呼吸が弱くなっています
今後どうなりますか、どうしたらいいですかと
と2時半に連絡をうけ、
お話をしている間に、呼吸が止まりそうと
一度電話を切った。
本当なら飛んでいきたかったが、
雪で車が出せず、電話を切ってからモヤモヤどうしようか悩んでいたら
3時過ぎに再び電話があった。
「息を引き取りました」と。
外を見ると、雪は全然解けていない。
踏み固まっているところもある。
代車のノーマルタイヤでは難しそう、、、
まずは先生に死亡確認などをお願いし
朝に行くしかない
そう思いながら、歩くか、、、タクシーか
無理やり車か。。。と悩みながら
夜が明けた。
娘さんに朝連絡したら、葬儀屋さんが綺麗にしてくれて、
10時に迎えにくるとのこと。
その前にご挨拶に行きたいと伝え訪問してきました。
退院して、足浴や清拭をしてあげた時のような笑顔
とっても穏やかな お顔で眠られていました。
苦しまなかった、辛そうには全然しなかった。
と娘さんたち。
私がこれからどうなるって教えてくれていたから
覚悟が少しずつできて、少しずつできることができた
精一杯お母さんにしてあげられたと娘さんたちに
お礼を言われたけれど。
お孫さん、娘さん二人、ご主人に囲まれ
幸せな旅立ちだったんだろう。
最後の最後にニッコリと笑って、そして旅だったんだから
癌になって辛かったけど最期はきっと満足だったのかな。
何度体験しても死は慣れない。
いい看取りでも悲しいものは悲しい。
家族が泣けなくなるから泣いてはいけないと看護師なりたての頃
先輩に言われたことがある。
わかっていても
期間が短くても思い入れがあるから
ぽろっと泣いてしまう。
短い時間だったけれど
私たちに感謝していると言われ
本当に良かったと思った。
そして、望みとおり、みんなに囲まれ旅立てたことが本当に良かった。
台湾の視察の方が来た時に
訪問看護の印象に残るエピソードを聞かれた
家族みんなで最期を見守り
エンゼルケアをしながら思い出話をみんなが話すひと時が
すごく素敵だと伝えた。
最初は在宅で見れるか自信がないって言っていたMさんの娘さんも
「私も家で亡くなりたいと思った」と言ってくれた。
「私たちやれるだけやったよね、がんばったよね、だから悔いはない」
「お母さんのそばに1週間いれてよかった」
それだけで
もう訪問看護師でよかったと思える。
雪ですべての訪問がなくなって
近所じゅうの雪かきをして
眠気がまた襲ってきた。
Mさんのご冥福をお祈りします。
そしてMさんの最期に関わらせてくれた皆様に感謝いたします。
ありがとう。
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