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干支の引き継ぎ式が大好きだ!

 私は、この時期、通天閣で行われる、干支の引き継ぎ式のニュースを、毎年、楽しみにしているひとりだ。
 残念ながら、今年はコロナの影響で中止になったものの、神戸の六甲山牧場で行われた、モルモットうりさんから、ジャージー牛パンケーキさんへの可愛らしいバトンタッチの写真を見ることが出来たので満足している。

 私がこの干支の引き継ぎ式で最も注目しているのは、その絵面だ。

 干支は、
 ・子(ねずみ)・丑(うし)・寅(とら)・卯(うさぎ)・辰(たつ)・巳(へび)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(いのしし)の12項目からなる。

 この中で、一番盛り上がる引き継ぎ式はどれかを、考えるのが好きだ。この時期になると、毎年考えてしまう。

 おそらく一番カワイイ!と盛り上がるのは、からイノシシの引き継ぎだ。イノシシってカワイイか?と思われるかもしれないが、何も、もののけ姫の、乙事主(おっことぬし)様みたいな、大きなイノシシでなくてもいいのだ。安全面から考えても、子供のうり坊の方が、可愛くて安心だ。
 カワイイ犬から、カワイイうり坊への引き継ぎ式は、見ている者をホッコリとさせ、今年も良い一年だったと納得させる力がある。

 その反面、見ていて一番ハラハラするのは、トラからウサギの引き継ぎ式ではないだろうか。まぁ、トラだって、子猫サイズの赤ちゃんトラを連れてくれば、犬からイノシシに対抗できる、可愛らしい引き継ぎ式となるだろう。

 しかし、小さくてもトラはトラである。
 いつウサギを捕食にかかるかわからない。

 見に来ていた子供達のトラウマにだけはならないように、トラとウサギの間にソーシャルディスタンス的な配慮が必要だ。

 同じような意味で緊張感があるのは、ウシからトラ
 やはり引き継ぎ式において、トラは赤ちゃんでないと怖い。映像で見る限り、通天閣は、そこまで広い印象はないので、もし、大人のトラを連れてこようものなら、ウシとトラだけで、場所を取って仕方がない。
 同じような視点で考えると、ウシとウマが隣り合っていなくて本当に良かったな、と思ってしまう。

 そして、どう反応していいかわからない引き継ぎ式は、
 タツからヘビだ。
 いくら何でも、架空の生き物、龍を召喚することは出来ないので、どう考えても、ここに登場するのはタツノオトシゴとなる。
 もちろん、そのまま歩いてきてはくれない。水槽に入っての登場となる。
そしてヘビも、相当の使い手でないと、むき出しでは連れてこられない。

 多分、通天閣さんのことだから、そのへんはお手のものだろうが、困ったことに、他の干支にある「カワイイ」という要素がない。どんなに小さい赤ちゃんのタツノオトシゴやヘビを連れてきても、
「カワイイーーー!」
 とはなりにくい。
 タツノオトシゴは、他国では神の扱いだし、ヘビも、白蛇や、ヘビの抜け殻は縁起物として珍重される。

 タツとヘビは、神々しい分、多くは語らない。
 何とも言えない、しんしんとした空気になる。でも、この空気感はタツからヘビの引き継ぎ式でしか味わえない。マニアになれば、このシュールさが、かえってたまらないはずだ。

 一度、ヒツジからサルの引き継ぎで、サルがヒツジに乗って登場した神回があったと記憶しているのだが、私は、長年、引き継ぎ式に思いを寄せているので、もしかしたら私の妄想かもしれない。

 今年、通天閣は引き継ぎ式を行わなかったものの、公式ホームページにて、引き継ぎの口上を公表している。いつも違う年末年始に、この口上の明るさが胸にしみる。
 来年こそは、通天閣で、モ~っと、明るい元気な引き継ぎ式が見られることを願ってやまない。




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花丸恵
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