見出し画像

おにぎり文明開化

おにぎりで好きな具はなにか。

といった類の話をするのが大好きだ。
おにぎりは、かつては家庭の味であったが、
近年では、コンビニで気軽に買える食べ物となった。
商品として店に並ぶようになると、どれを買うか決める必要がある。
そうなると、おのずと、自分はどの具が好きか、
ということを、考えるわけだ。
鮭か、明太子か、昆布か、考えるだけで楽しい。

今では当たり前となった具も、かつては異端だった。

私にとって、おにぎり文明開化が起こったのは、中学生の頃のこと。
その頃、私の姉は大学受験のために、予備校に通っていたのだが、
そこの仲間が、コンビニでツナマヨおにぎりを買っていた。
姉は、えぇーと思ったらしいが、美味しいからとすすめられ、
じゃあ、食べてみようかと、チャレンジしたらしい。
そして、美味しい!となり、私にも買ってきたのだ。
わざわざ妹にも、ツナマヨを広めようと思ったのだから、
相当驚いたのだろう。
私も、姉のように、ツナマヨおにぎりに対する拒否反応があった。
食べたくないなぁ、と思ったが、姉の勢いに押され、
食べてみることにした。

美味しくなかったら、返すからね、などと悪態をつきながら、
パリッとおにぎりをかじって驚いた。

「おいしい…」

そうでしょう!と姉が妹の反応を見て喜ぶ。
私は姉に返す間もなく、ツナマヨおにぎりを平らげた。

今現在、ツナマヨおにぎりは、おにぎりの定番だ。
その人気は鮭、たらこ、おかか、などにも引けを取らない。
今となっては、当然のように存在する食べものだと思う。
しかし、定番のツナマヨも、かつては異端であり、
おにぎり保守派から
「こんなもん一体誰が食べるの?」
などと思われていた時代があったのだ。
私にとっては、ツナマヨおにぎりは本当に、文明開化そのものだった。

なぜ、そんな話を書きたくなったかと言うと、

暮れに、シーチキンおにぎりの思い出という
honnehana.|ほんねはなさんのnoteを読んだからだ。
読んでいたら、無性に、ツナマヨおにぎりが食べたくなってしまった。
ちょうど賞味期限が切れかけたツナがあったので、
久々にツナマヨおにぎりを作って食べてみた。
コンビニのよりは味が淡白だか、やはりごはんとの相性は良い。
本当に久々だったので、おせち作りの合間に、
うまいうまいと言いながら、
1つのつもりが、2つになってしまった。

noteの記事を読んだことをきっかけに、それと同じものを食べる。
暮れの忙しない中、それが、何だかとても楽しかった。

今度コンビニへ行く時、私はきっと、あの頃の姉のことを思い出しながら
ツナマヨおにぎりを買ってしまうだろう。



honnehana.|ほんねはな さん
素敵な記事をありがとうございました! 




お読み頂き、本当に有難うございました!