イライラする更年期には「柴胡加竜骨牡蛎湯」
◆老害
最近、「老害」という言葉を耳にするようになりました。
お年寄りが、若い人を嫌な思いにさせることを指しており、
一種のハラスメントと考えて良いのではないでしょうか。
老害と呼ばれるお年寄りの特徴を調べました。
①怒りっぽい
②プライドが高い
③人の意見を聞かない
④自分の価値観を押し付ける
これらは一連のものと思われます。
努力して成功した人でも、加齢とともに心身が思うようにならなくなってきます。
そのことにイラつき、若者に抜かされることが不安になります。
それで、若い人に腹を立てたり、若い人を踏みつけて優位に立とうとするのでしょう。
これは老害の人だけが悪いのでなく、若者も30~40年後、
同じ環境に置かれたら、同じことをするでしょう。
この老害の陰に、ホルモンがあるのかもしれません。
◆男性更年期障害の原因はストレス
男性更年期障害の原因は、テストステロンというホルモンの低下ですが、
その原因はストレスが大きいとされています。
人間は緊張すると交感神経が働き、
緊張が緩むと副交感神経が優位になります。
リラックスして副交感神経が働いているときに、
テストステロンが分泌されます。
ストレスが常にかかり続けると、交感神経が慢性的に張りつめて、
テストステロン分泌が減ります。
さらに、眠れない、イライラする、便秘、寝汗をかくなどの症状が現れます。
◆イライラの更年期には漢方薬
漢方薬には、イライラを静め、テストステロンを濃度を上げるものがあります。
動悸やパニック障害、イライラ、不眠、勃起障害の症状がある更年期障害に、勧められているのが「柴胡加竜骨牡蠣湯」です。
漢方薬の考えからすると、次の使い分けもよいかもしれません。
がっちりとした体格の人に「柴胡加竜骨牡蛎湯」
中肉中背の人に「柴胡桂枝乾姜湯」
ひょろっとやせた人に「桂枝加竜骨牡蛎湯」
「老害」は人の害ではなく、ホルモン欠乏の害であり、
「老害を起こす人」は加害者ではなく被害者かもしれません。
参考文献
1)堀江重郎:『LOH症候群』,角川新書,2021