おかずファーストで糖尿病、脳卒中、心筋梗塞を予防しよう
学校のグラウンドを2周、回ります。
パターン1:全速力で1周走り、2周目はゆっくりと歩く。
パターン2:早歩きで2周歩く。
2周の合計時間は、パターン1と2は同じだとしましょう。
どちらがしんどいと思いますか?
圧倒的にパターン1の方がしんどく、疲れます。
同じペースで歩けば、十周歩いても疲れないかもしれません。
◆血糖のジェットコースターが病気をまねく
食事でも同じことが言えます。
炭水化物(甘いもの、ご飯、パン、麺類)を食べると、
血糖値が急激に上がります(食後高血糖)。
その後に待っているのは、反動による低血糖です。
ジェットコースターのように上がり下がりする血糖は、
体にとって決してよいことではありません。
次のような弊害があります。
①インスリンを分泌する膵臓が疲れ、糖尿病の危険性が増す。
②動脈硬化の原因となる活性酸素が増える。
③動脈の壁が厚くなり、動脈硬化につながる。
④脳卒中や心筋梗塞のリスクが高くなる。
まとめると、血糖の急上昇により、「膵臓の疲弊」と「血管の老化」がおき、結果、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞のリスクが高まります。
◆おかずファースト
血糖のジェットコースターを避けるには、どうすればよいのでしょうか。
先ほどの、グラウンド2周の話を思い出してください。
1周目に全速力をするから、心拍が急上昇して、心臓がバクバクになるのです。
食事では、ご飯は糖質であるため、血糖を急激に上げます。
肉や魚は緩やかに血糖を上げます。
野菜はほとんど血糖を上げません。
最初にご飯を食べると血糖が急上昇します。
グラウンドを1周目に全速力するようなものであり、
膵臓や血管がばててしまいます。
おかずを先に食べれば、血糖値の急上昇を避けることができます。
ご飯から先に食べた場合と、野菜から先に食べた場合について、
血糖値を比較した調査があります。
結果、ご飯から食べた場合、血糖が急上昇と急降下していました。
健康な人に比べて糖尿病の人は、その傾向が顕著でした。
一方、野菜から食べた場合、アップダウンが緩やかでした。
レディーファーストが欧米のマナーですが、
「おかずファースト」が健康へのマナーではないでしょうか。
参考文献
緒形ひとみ:「時間栄養学の視点からみた抗加齢対策」,アンチ・エイジング医学 16(1): 40-45, 2020