見出し画像

荒波に流されず、重圧につぶされない「鈍感力」

◆鈍感力

渡辺淳一氏の『鈍感力』は有名です。

人の心や、世の中の情勢に無頓着ではいけませんが、
良い意味で「鈍感」は、現代社会を生きていく上で必要なことでしょう。

この「鈍感力」と、男性ホルモンのテストステロンが密接に関係しています。

◆HSP:ひといちばい敏感な人

HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)、「ひといちばい敏感な人」とは、1990年代のはじめ、心理学者のアーロン博士によって名づけられた「気質」を表す言葉です。
日本では精神科医の明橋大二医師により紹介され、今日、広く知られるところとなりました。

5人に1人がHSPと言われ、こうした気質を持つ人は、
職場や家庭で気疲れしやすく、生きづらいと感じています。
HSPの特徴をいくつか挙げてみましょう。

・強い光や日光のまぶしさが苦手・・・視覚
・騒音が苦手。冷蔵庫や時計の音が気になる・・・聴覚
・人の口臭やタバコの臭いで気分が悪くなる・・・嗅覚
・カフェインや添加物に敏感・・・味覚
・痛みに敏感。肌着やタグがチクチクして気になる・・・触覚

一言で言うと、五感(目、耳、鼻、舌、皮膚)が敏感と言えましょう。

・友達との会話は、気疲れしやすく、どっと疲れる
・人の些細な言葉に傷つき、いつまでも忘れられない
・暴力的な表現のある映画やテレビは見ないようにしている

五感だけでなく、心もデリケートと言えます。

「敏感さ」のお陰で、人類は危険を察知し生きながらえてきました。
その意味では「敏感」は大切な気質ですが、
HSPが生きづらさを感じていることは事実でしょう。
五感やメンタルが、もっと鈍感であれば、どんなに生きやすいかと、HSPは嘆いているでしょう。

◆アレルギーや膠原病も「敏感」が原因?

アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギーの病気や、膠原病などの自己免疫の病気は、ある意味、「敏感さ」が原因と言えるかもしれません。

皮膚にハウスダストがついても、アレルギー反応を起こさなければアトピー性皮膚炎にはなりません。
鼻の粘膜に花粉がくっついても、粘膜にいる免疫細胞が鈍感であれば、花粉症にはなりません。
体が過敏に反応するために起きる病気が、アレルギーであり、膠原病です。

肉体の病気でも、適度な鈍感さが重要であることが分かります。

◆テストステロンで「鈍感力」を得よう

脳には扁桃体というアーモンドのような部位があり、過去に経験したイヤなこと、怖いこと、トラウマなどの記憶が収まっています。
扁桃体は、危険を察知して、火災報知器のようにアラームを出す役割があります。
扁桃体が過敏に働くと、「嫌な予感がする」「失敗するのではなかろうか」と不安になり、行動が慎重になります。

男性ホルモンのテストステロンは、扁桃体を鈍感にする働きがあります。
そのため不安を感じにくく、苦境に立たされても、良い意味で「何とかなるさ」と開き直ることができるでしょう。

一寸先が見えない、世知辛い今日だからこそ、荒波に流されない、重圧につぶされない、「鈍感力」が必要なのかもしれません。
そのためにも、テストステロンを増やしましょう。

参考文献
1)堀江重郎:『LOH症候群』,角川新書,2021

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?