
〔介護を学ぶ12〕親は子を守り、子は親を守る
◆介護とは家族を守ること
私達が、最初に介護に接するのは、
母が父を(その逆もあるでしょう)介護する姿かもしれません。

母親が父を介護するのを見て、惣子さんは親の恩を感じるのでした。
介護は「家族を守ること」と言えるでしょう。
両親は、幼い私を保護してくれました。
それを思うと、私も両親を守らなければと思うことでしょう。
◆古典に学ぶ 親の庇護
私達は、両親からどのように守られてきたのでしょうか。
古典に学んでみましょう。

二歳にもなると歩きだし、好奇心旺盛にいろんなものを触ります。
幼い子どもは、火が熱いということを知りません。
平気でストーブを触って、大やけどをします。
子どものやけどで多いのが、親の実家でストーブの天板を触ってのやけどです。
エアコンや、天板の熱くない石油ファンヒーターが普及した今日、何百℃もの鉄板が部屋にあるとは、子どもは想像すらしていません。
「ストーブは熱いから触ってはダメ」
「包丁は手を切るから触ってはダメ」
そう教えてくれたからこそ、ケガを避けることができたのでしょう。

熱が出たら病院へ、食べ物を吐いたらまた病院へ、連れて行ってくれました。
子どもは、ウイルスに感染すると、熱を出したり、咳をしたり、下痢をします。
そのたびに、免疫がついて強くなりますので、それほど心配ありません。
とはいうものの、放ってはおけないでしょう。
熱でぐったりしているのに、
「熱はいつかは下がるもの」と、平気でおれる親はないでしょう。
「ただの風邪だとは思うけど、こじれたらどうしよう」と、
病院に走るのではないでしょうか。
◆子どもが成長しても、親は子供を守る
その他、数々の危険から守ってくれました。
「走ったら転ぶよ」
「道に飛び出して、車が来てたらどうするの」
「お菓子を食べたらダメ」
「食べたら歯磨きをしなさい」
成長してからも、社会の危険から守ってくれました。
「ゲームセンターに行ってはダメ」
「あんな友達とつきあってはダメ」
「世の中はいい人ばかりとは限らない」
◆守ってあげたい
今日、高齢者にもさまざまな危険があふれています。
オレオレ詐欺。
過剰なリフォーム。
スマホショップで、使わない機能をつけて高い契約をされた。
敷居につまずいて転倒、骨折。
お風呂で滑って腰をぶつける。
認知症、脳卒中、心筋梗塞・・・
など、幾多の危険から親を守るのは、子どもの出番でしょう。
家族がお互いを守り、支えあって生きてゆきたいですね。
You don't have to worry.worry
守ってあげたい
あなたを苦しめる全てのことから
松任谷由実『守ってあげたい』
