〔介護を学ぶ16〕「ありがとう」と言えば、「ありがとう」が返ってくる
介護は、時に充実感もあるでしょうが、苦しいことの連続かもしれません。
つらい時やイライラする時の打開策として、
「やまびこの法則」を紹介いたします。
◆やまびこの法則
山に向かって「ヤッホー」と叫ぶと、どうなるでしょうか。
少し遅れて「ヤッホー」と返ってきます。
やまびこは、100% 狂いがありません。
「ヤッホー」と言って、「こんにちわー」と返ってくることは絶対ありません。
「ありがとー」と叫ぶと、「ありがとー」が返ってきます。
「バカヤロー」と叫ぶと、「バカヤロー」が返ってきます。
人間関係も同じでしょう。
無視をすると、無視される。
悪口を言うと、悪口言われる。
意地悪すると、意地悪されます。
物をあげると、物をもらう。
感謝すると、感謝される。
親切すると、親切されます。
これが「やまびこの法則」です。
◆「ありがとう」をみつける
一生懸命介護しているのに、感謝されない、文句ばかり言われる。
そんな時、憂うつになったり、ブチ切れたりしませんか。
そんな時こそ、逆に「ありがとう」と感謝の言葉をかけてみましょう。
感謝することなどない?
いえいえ、探せば見つかります。
「起こしたらすぐに起きてくれて、ありがとう」
「オムツ交換の時、腰を上げてくれるから助かるわ」
「自分でヒゲそってくれて、ありがとう」
「好き嫌いなく、なんでも食べてくれて、ありがとう」
「今日はすぐにうんち出たね。よかった」
「おとなしくテレビ見ててくれるから、買い物に行けた」
「夜は早く寝てくれるから助かるわ」
「感謝できること」「ほめるところ」は、探せば見つかるものです。
◆「売り言葉」に「買い言葉」
感謝の言葉をかけると、感謝されます。
「なんでも食べてくれて、ありがとう」と言葉がけすると、
「いつも作ってくれてありがとう」と、たとえ言われずとも、
そう思われているでしょう。
その反対が、「売り言葉に買い言葉」です。
「あんたは楽でいいね。食べるだけだから」といやみを言うと、
「まずい料理、食べてやっとるんだぞ」と暴言が返ってくるかもしれません。
「やまびこの法則」に間違いはありませんから、
言ったことが返ってきます。
人間関係がぎすぎすして、閉塞感が漂うときこそ、
「ありがとう」を探してみてはいかがでしょうか。