〔毛虫皮膚炎〕皮膚科医は庭にツバキとサザンカは植えない
「つーばき咲く~ 春なのに~ あなたは帰らない~」
私の「お気に入りソング」の一つです。
しかし、皮膚科医が、決して庭に植えない木が「ツバキ」と「サザンカ」なのです。
◆毛虫皮膚炎
春と秋、皮膚科外来をにぎわす風物詩が「毛虫皮膚炎」です。
多い日は、1日6~7人が受診されます。
原因は、5~6月と8~9月に、「ツバキ」「サザンカ」に大量発生する毛虫(チャドクガの幼虫)です。
毛虫の体長は2~3㎝ですが、約50万本の細い毛が生えています。
この毛が皮膚や服に付くと、翌日に2~3mmの赤い湿疹がたくさんでき、
猛烈にかゆくなります。
◆毛虫の姿はなくても
主に木の剪定や、枝の片づけの時にやられます。
毛虫は「ツバキ」「サザンカ」の葉っぱを食べて生きています。
剪定の時、毛虫はいなくても、葉っぱが虫食い状になっていたら、
その葉には毛虫の毛がついているかもしれません。
毛虫に触れなくても、葉に触れただけでぶつぶつができます。
剪定した枝を両手で抱えて片づけをすると、悲惨なことになります。
腕と胸がぶつぶつだらけになります。
毛虫の毛は、服を通り抜けます。
この毛虫が大人になると、「チャドクガ」という黄色いガになります。
ガの粉による皮膚炎を「チャドクガ皮膚炎」といいます。
毎年、そんな患者さんと向き合う皮膚科医は言いたいでしょう。
「庭にツバキとサザンカは植えないでください」