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若さを保つ「八味地黄丸」
◆老いたくない
「歳は取りたくない」
万人の願いでしょう。
歳を取るとはどういうことでしょうか。
「目はかすみ、耳は遠くなり、腰曲がり、顔はシワだらけで、手は震え、
足はひょろつき、立ち振る舞いもままならなくなる」
時を戻すのは、重力に逆らうより難しいことですが、
老化を遅らせる漢方薬が「八味地黄丸」です。
◆老化は「腎」のおとろえ
東洋医学では、体のエネルギーを蓄える臓器を「腎」と言います。
西洋医学の「腎臓」とは、意味合いが異なります。
「腎」の働きが悪いと子どもの成長の遅れや不妊症、引きこもりやパニック障害になりやすいと言われています。
「腎」の働きは加齢によって減少すると考えられています。
老年症候群と言われる腰痛や骨粗しょう症、脱毛や白髪、難聴や耳鳴り、皮膚の乾燥・かゆみ、排尿障害や尿失禁、下肢の冷えやだるさなどは、腎がおとろえた症状と考えられています。
腎の衰えを補う漢方薬が「八味地黄丸」です。
◆八味地黄丸で若さホルモンアップ
若い時に元気な人も、加齢とともに身の回りのことができなくなってきます。
介護が必要になる一歩手前の状態を「フレイル(虚弱)」と言います。
介護にはなりたくないもので、何とか「フレイル(虚弱)」でとどまりたいでしょう。
フレイルになると筋肉量が減ってしまいますが、
その予防にも漢方薬が有効とのデータがあります。
加齢とともにテストステロンというホルモンが減り、
男性更年期障害の原因となります。
八味地黄丸は、テストステロンの前の段階のDHEAというホルモンを上げます。
DHEAが増えればテストステロンも増えるでしょう。
これは男性に限った話ではありません。
女性は「エストロゲン」「テストステロン」「DHEA」の3つのホルモンで若さを保っています。
閉経により「エストロゲン」が枯渇した後は、「テストステロン」と「DHEA」が頼りです。
若さを保つには、八味地黄丸がいいかもしれません。
参考文献
1)堀江重郎:『LOH症候群』,角川新書,2021