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現代アートとの出会い~初めてアートを購入するまで~
こんにちは。現代アートコレクターのHanaと申します。
2019年に初めてアート作品を購入して以来、主に国内の作家さんの作品をコレクションしています。
本記事では、なぜアート、特に現代アートに興味を持ち、購入、そしてコレクターへの道を歩み始めたのか、自分の過去を振り返りながら探っていきたいと考えております。
現代アートとの初めての出会い
私が現代アートに初めて出会ったのは、中学2年生の美術の授業。
その時の美術の先生と授業の印象は未だに鮮明で、ひげもじゃ+めがねの個性的なスタイルの先生は、課題として、
「TRFの曲を聞いて、感じたものを描きなさい」
といったような奇抜なものでした。
それまで絵を描くという行為は、存在する対象物を目で見て描き出すに過ぎなかったのですが、この授業で存在しない、目に見えないものを描き出すことや、抽象的な表現ということを学んだのです。
当時の美術の授業で見たロイ・リキテンスタインの作品
「Grrrrrrrrrrr!!」
が人生で初めての現代アートとの出会いでした。
「なにこれ!?マンガじゃん!!なんでこれがアートなの?」
という疑問を持つと同時に、
「なんだかよく分からないけどカッコいい!!」
という感覚を強く抱いたことを覚えています。
ただ、当時はそれ以上現代アートについて深掘りすることは無く、ロイ・リキテンスタインというアーティストの名前だけが心に刻まれただけでした。
ピカソとの出会い~アートの世界へ足を踏み入れる~
その後、アートへの関心・興味はごくごく人並みだったと思います。
高校の選択授業で美術・音楽・書道とあった中では美術を選択する程度には美術に関心はあったものの、特に学生時代に何かしたという経験はありません。
海外旅行の行先の一つとして「美術館」がありましたが、積極的にアートに興味を持って訪れていたというよりは、有名な観光地程度の認識で訪れていました。
職した後初めて一人旅で訪れたサンフランシスコでは、SFMoMAに行きましたが、正直そこで何を見たか、どんな作品があったか等は全く覚えていません。
NYを訪れた際に、MoMAへ行ったときはあのロイ・リキテンスタインを生で観られたことに感動した記憶があります。「Girl with Ball」のポストカードを買って家に飾っていました。
同時にアンディ・ウォーホルのキャンベルスープ缶も観たのですが、当時は特に何とも思いませんでした。
「あっ、これ見たことあるな」
程度の感想だったと思います。
アートに少しずつ傾倒していったのはピカソがきっかけでした。
新婚旅行でスペインのマドリードを訪れた際、ソフィア王妃芸術センターでピカソの「ゲルニカ」を観て以来ピカソに興味が出てきて、ピカソ関連の書籍を読み漁っていました。
初めてキュビズムというものを知り、
「なんかよくわかんないけどアートって面白いかもなぁ」
という感覚が芽生えた時期だったと思います。
ただ、この時もそれ以上に興味が広がることはありませんでした。
アート買う?買わない?ウォーホルとの出会い
より深くアートの世界へ足を踏み入れたきっかけは、アンディ・ウォーホルでした。
2014年に森美術館で開催された「アンディ・ウォーホル展 永遠の15分」に衝撃を受けてからです。
元々アンディ・ウォーホル自体は知ってはいたのですが、展覧会で彼の作品群を改めてみてみると、
「よく分からないけど、とにかくカッコいい」
「なんかすごく訴えかけてくるものがある」
という感覚が沸き起こってきました。
年に1ー2回程度しか美術館に行かなかった自分が、この展覧会には立て続けに2度行きました。そして初めて図録を購入しました。それほどの衝撃でした。
特に自分が惹かれたのはケネディ大統領の夫人、ジャクリーン・ケネディの肖像をモチーフとした作品、ジャッキー。
この笑顔を見ているとなんとも言えない気持ちが沸き起こってきたのを覚えています。
その後、ウォーホル関連の書籍を読み、アメリカのポップアートについて知識を深めつつ、自分の中で初めて
「絵が欲しい。家に飾りたい」
という気持ちが沸き起こってきました。
調べてみると、セカンダリーギャラリーで「kiku」が販売されているのを見たのですが、値段も値段なだけに(確か120万だったか?)購入するという考えには至りませんでした。
ポストカードからいきなり100万円を超えるアート作品はさすがにハードルが高すぎました。
また、サンデーBモーニング版の「Flower」は価格も5-6万とお手頃だったので買おうかな?と思いましたが、この時はまだ家にアートを飾るということに現実感が無く、結局購入には至りませんでした。
「家にアートが飾ってあるとか超カッコいい、おしゃれ」
という思い・自分の理想像と
「アートは美術館で鑑賞するもの」
という思い込みに乖離がまだまだあった時期でした。
引き続き国内外の美術館を周ったり、関連書籍を読んだりして自分の興味欲を満たしていた時期が続きました。
初めてのアート購入
アートへの関心、いつか現代アートを家に飾りたいという思いを持ち続けつつも、結局叶ったのはアンディ・ウォーホルの衝撃から5年後。
子供が産まれ、仕事一辺倒だった生き方に一息ついた時、気づけば40歳が目前と迫っていました。
特に人生に不満があったわけでは無かったのですが、何となく生活のマンネリを解消したい、40歳からのミドルライフもこれまで同様イキイキと暮らしたい、でも何をすればいいか分からない。そんなモヤモヤ感を抱いていた時期でした。
その時ふとこれまで思い続けてきた、
「アートを購入して絵を家に飾る」
という行為を通じて、
「何か新しい発見があるかもしれない」
「アートで人生変わるかも?」
という気分が強く湧き上がってきました。
早速調べてみたところ、近所にギャラリーがあったので、生まれて初めてギャラリーを訪れてみました。
ギャラリーで一通り作品を一通り観て、2点気に入った作品があったので一度家に帰り熟考、後日そのうちの1点をついに購入!!
実際に初めて購入した作品は、ずっと惹かれていたポップアートの系譜ではなく、抽象と具象が合わさったような風景画です。
もう一点候補に挙がったのは、ジェフ・クーンズの花のモチーフのエディションでした。
ジェフ・クーンズのことはその時初めて知りましたし、エディションが何たるや等は全く分かりませんでした。
国内の作家さんの風景画とジェフ・クーンズのエディションを比べていたのですから、いかに雑な判断だったかが伺えます(汗)
家に飾ることを大前提に、ほぼジャケ買いに近い買い方でした。
実際に家に飾った時のインパクトは今でもはっきりと覚えています。
1枚の絵が部屋の雰囲気をがらりと変えてしまう、アートのある生活は本当に素晴らしいなぁとすごく満足しました。
そこからアートコレクターへの道がスタートしたのです。