トイレが詰まって大洪水
猫のうんこは凶器だ。
数ヶ月前にも洗濯機の回転盤に絡みついて破壊された。
数日前、新しい男性支援者が入っていた時、事件は起こった。
二階のトイレに猫のうんこを流していたが、詰まっていたらしい。
「二階のトイレが詰まっていてここが大変です!」の声に一階の脱衣所を見に行った。
脱衣所の照明から容赦なくうんこ水が床に打ち付けられていた。
「ぎゃああああ!」と半狂乱になりながら、シュポシュポを手に階段を駆け上った。
便器から溢れたうんこ水が床一面に広がっている。
便器にシュポシュポを突き立て、うんこを吸い出す。
4回目で確かな手応えを感じた。
渦を巻いて流れていくうんこ水を見つめる。
次は一階の脱衣所だ!
一階に走り下り、降り注ぐうんこ水に洗面器をあてがうよう支援者に頼む。
時獄絵図だ。
ほどなくして滝のようなうんこ水は止まった。
支援者が全て始末し、照明まで拭き取ってくれた。
これが男手があるということなのか……。
私は結婚していたことがある。
産前産後も正社員として残業も休日出勤もしていた。
子どもの急病や発熱にも、近所に住む実親にお願いしていた。
もちろんその為に多額の貯金も蓄えていた。
しかし、害虫の駆除も、子どもの見守りも、家具の移動も、車の修理も破壊させられる事は多々あったが、助けてもらえることは一切なかった。
それどころか私や子どもへの虐待がエスカレートしていき、離婚に踏み切った。
年収も学歴も身長も何も要らなかった。
ただ困った時、パニックになった時に一緒に対処してくれる人が欲しかっただけだ。
私を愛して欲しい、理解して欲しいとまで願わない。
子どもを一緒に慈しみ、育てて生きたかった。
願いは悉く打ち砕かれ、男性嫌悪を拗らせて老境に入った。
男手がある生活って楽だな。
マトモな相手と結婚してみたかったな。
後悔はしていないが、今の日本は女出一つで子育てするのは、とてもとても大変だった。
これからの世代は助け合って、妻の収入を見てみないフリしないで、仲良く生きていって欲しいな。
子どもも独立する。
やっと自分の時間が持てる。
老後の茶飲み友達がほしいな。
男でも女でもゲイでもレズでもいい。
信頼できる人と一緒に助け合って生きていきたいと願う。