【誕生石】サファイア（珍し面白編）

では最後に、探すとそこそこ大変なもの（棚からぼた餅的に入手）と面白いタイプのサファイアです。

ナチュラル／ナチュラル

コランダムは、原石のまま加熱して色を良くするという事が一般的に行われていて、これは詐欺ではなく人間で言うとお化粧ぐらいです（お化粧が詐欺レベルのケースにはここでは言及しないこととします。そうします）。

なぜ加熱するかというと、加熱すると色が良くなると気づいたからです。
しかし、加熱しなくても色の良い石というのもあり（天然美人ですね）それに近づけようと人間は手を加えているわけです。

とある業界人向けのジュエリーフェアにて。
御徒町の問屋さんのブースに顔を出すと、営業さんが
「はなえみさん！ちょうど良かった、いいのがあるんだよ」
呼ばれたっ（石に）。

「N/N(*)。けっこう良くない？」　*Natural/Natural＝天然・非加熱
「っていうか、ナチュラルでなんでこの値段!?」
「加熱のロットに混じってた」
「え？それで加熱ロットの値段のまま!?」
「そ。だからわかる人に買って欲しくて」
わかる人、登場しました～。カモとも言いますよ！

いやでもね、良心的ですよ。私だったら「非加熱ですよ」と高い値段をつけてしまうかもしれません。内金を払ってキープして、後日御徒町の店舗に取りに行きました……。

もう一つ、コランダムでブリリアントカット（ダイアによくあるカット）は珍しいです。これは主に結晶形によるもので、コランダムはオーバル（楕円形）が多いです。実際はどんなカットでもできるのですが、削ってしまう部分が少ない方が価値は高いので、オーバルが多くなるのです。

この石を見た瞬間、立爪のリングにしたくなりました。しかも、鬼爪という昔ながらの高いセッティングに。

ほら。素敵でしょ？（またも自画自賛）
少しグレイッシュな青、色は浅め。色も形の好みでした。

爪は通常6本とか8本とか偶数ですが、そこを敢えて5本にして、そのうち1本は上にダイアを入れました（写真2時方向の爪の上面にダイアが入っています）。

このブルーサファイアは1.043ctです。
コランダムの比重は4、ダイアは3.52なので、同じ1キャラットならサファイアの方がサイズは小さくなります。ただ、このサファイアは場面が広く、直径が6.5mm程度でちょうどダイアの1キャラットサイズでしたので、加工にあたって仕上がりの想像がつきやすかったです。

普通の鑑別料金より高いのですが、天然（加熱なし）の鑑別がこの石なら取れると確約が取れていたとのことで、取りました。普通の鑑別はコランダムですと「加熱していることがあります」と注意書きがあるのが、加熱ではない、とする鑑別なのです。すっぴん美人の証ですね。

こちらはピンクの非加熱です。0.85ct。

デザインが降りてこないので、ずっと箱入り娘です。実物は写真よりずっとカワイ子ちゃんです。

トラピッチェ

またですか、って言わないで下さいね……好きなんですもの。
3回目ですね。まずエメラルド、次いでルビー。そしてサファイア。

サファイアは色範囲が広いので、トラピッチェの地色とアームの色の組合せはキリがないと思います。右側のグレーの石が、私が持っている全トラピッチェで一番の宝石品質です。

こちらはもう売れてしまったのですが、シルバーの枠がついたもの。
右側は6本のアームがまあまあ綺麗に出ていて、左側は六角形の枠つきアームです。とある鉱物展（一般人も入れる）にいくつも置いてあって、あるところにはあるんだな……と思いました。

あぁ、キリがないトラピッチェ。

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