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【読書】親愛なる八本脚の友だち
帯に『全米100万部超!』とあります。全米で100万部がどの程度なのかわかりませんが、全米の100万人は泣いたでしょうか。いえ、お涙頂戴ではないのですが、心温まるお話ではありました。
これが、扶桑社ミステリーなんですよ。ミステリー?
表紙の絵から八本脚とはタコだとわかります。安楽椅子探偵ならぬ、安楽水槽タコ探偵?イヤミスでなくタコミス?もう、そこからミステリーですよ。
原題は《REMARKABLY BRIGHT CREATURES》で、『タコはすこぶる頭のいい生き物です』と、水族館のタコの説明プレートに書かれています。特にそのタコ・マーセラスは賢くて、水槽からも出られます。なぜか近くの水槽のナマコや貝が減っていることも……。
ある日、マーセラスが館内徘徊中に身動きが取れなくなったところを、夜間の清掃員のトーヴァに見つかります。これ以来、ふたりの間には一風変わった温かな関係が生まれます。
ここはシアトルの北にある、ソーウェル・ベイという架空の町。噂話があっという間に広まるような、親密さが時おりうっとうしくなるような、そんな町です。息子を亡くし、2年前には夫も亡くしたトーヴァは、わが身の今後をうっすら案じているところへ思わぬ連絡が入って、ますますその思いを強めるのでした。
一方、カリフォルニアのバンドマン、キャメロン。仕事を次々にクビになり恋人のケイティからも愛想をつかされ、友人宅に身を寄せます。父親は不明、母親は9歳の時にいなくなり、育ての親は母の姉。そのジーンおばさんから母の物を受け取り、キャメロンはある事を思いつきます。
タコの語りと、二人の話が織り交ぜられます。マーセラスは事実を語り、読者はミステリーでいえばハウダニットの部分を想像していきます。私はある部分の年数を読み違えていて、違うストーリーを描いてしまいましたが…。
🐙
600ページ近くありますが、毎晩肩のマッサージをしながら15分~30分読み進め、気づいたら残り1/3くらいになっていて「もう終わっちゃう」と悲しくなりました。
これがデビュー作というのも驚きです。
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