産業カウンセラーの支部の活動に、傾聴ボランティアがあります。
土日はかなりの倍率になるらしく、一度当たっただけでその後は落選しているうちにこのような状況になり、施設側から「落ち着くまで外部との接触はしないことにする」との申し入れがありました。
確かに、クラスターなど発生すると大変です。
傾聴ボランティアというのはその名の通り、ひたすら傾聴します。カウンセリングはしません。認知症の方が多いので、つい先ほどとお話の内容が違っても、そこは指摘せずひたすら聴きます。
『癒す者が癒される』と言いますが、まさにそのような体験でした。
また、認知症とはこういう症状なのだ、と、ほんの一部ですが体感する良い機会でした。
私がその日にお話したのは、機関銃のように話し続ける方と、始終にこにこしている方。主に前者の方のお話を聴きましたが、「寂しい」と何度もおっしゃっていたのが印象的でした。
施設のスタッフの方々はものすごく忙しそうで、利用者さん達が話をしたくても、とてもそのような余裕はなさそうでした。であれば、時々話を聴きに行くのは少しだけでも役立つかしら、と思いました。
「いつもの人たちではない人」と話すのも、刺激になって良いそうですし。
それから、自分が今までの暮らしができなくなり、見守りやケアが必要になった時、この施設はどうだろうかという見学も密かにしていました。
この時は小規模のグループホームだったのですが、定期的にボランティアに行っているのは、軽度から重度まで色々な人が入所している大きな施設、病院併設の施設など、規模も役割も色々です。
自分より前に、親がお世話になる可能性が高いですが、そのためにも色々な知識を蓄えて、悔いのないようにしたいものです。
「そろそろお時間ですが、また来ますね」
と言った時に、涙目で引き留める人もいれば、満面の笑みで手を振って投げキッスまでしてくれる人もいました。今、どうしているかしら、と気になるところです。