「5年後、10年後にはどうなっていたいですか?」
私は面接でこの質問をされるのが苦手です。愚問とすら思っています。
もちろん、愚問ですねぇなどとは言わずに(言えずに)一応は答えますが、頭の中ではお寺の鐘のようにグモ~~~ンという音が鳴り響いています。
だって、自分の描いたキャリア通りになっている会社員は、どれだけいるでしょう。
私は、自分の興味のある分野へ異動になったこともありましたが(=海外人事)大抵は誰かの異動や退職を穴埋めするための異動でした。会社員ならそれは仕方ない事として受け入れてきました。
それでもポジションがなくなったり(外資)ひどい時は会社がなくなったりもしました。そんな経験から、会社ってそんなものと思っています。
増してこの不安定な世の中で、5年後、10年後を見据えたところで、周りの環境が大きく変わってしまうのではないでしょうか。
というわけで、自分が目指すのは強力な権利を持つ人事ではなく、”人事のおばちゃん”的な親しみやすい人事である、というような目指す人物像について答えるようにしています。
仕事としては会社やビジネスの環境も変わりますので、その時々で自分の役割に求められることをやるしかないと思うのですよ。これについては一度
「私もそうです!不本意な決定もありますからね!」
と面接官の人事の方に凄い勢いで頷かれたことがありました。その方もきっと色々あったのでしょう。
✐
と言いつつ、自分が面接官の時にこんな風に聞くことはあります。
「この会社に入ったら、何がしたいですか?」
これも上の話で言えば、会社員はやりたいことができるわけではありません。ですからこの質問をするのは、この人ミスマッチではないかなと思う時だけです。要は募集ポジションについての理解が浅い時です。
その時の答えはこうでした。
「人事企画をやりたいです!」
はい、無理です~。外資はよほど大きな日本法人でない限り、本国からのトップダウンが多いと思います。
募集ポジションは、人事責任者-アシスタントマネージャー(私)の下の人事オペレーション担当、主に給与の処理をする人でした。
それを足掛かりにして転職と思ったのかもしれませんが、小さい組織でしたので踏み台にするにも「これやりました」と他社へのアピールにならないぐらいの低さですよ。
こういう人は「やりたい事ができなかった」と辞めてしまうことが多いので、勘違いは面接の段階で気づいてもらった方がお互いのためです。
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