プロレタリア文学。徳永直先生の文学碑を訪れて 熊本県
こんにちは。
『プロレタリア文学』をご存知でしょうか?
中々聞きなれない言葉です。
Wikipediaによりますと、プロレタリア文学(プロレタリアぶんがく)とは、1920年代から1930年代前半にかけて流行した文学で、虐げられた労働者の直面する厳しい現実を描いたものである。
と記載されています。
徳永直先生(とくながすなお)は、日本のプロレタリア文学でも、非常に重要度の高い文豪です。出世作であり代表作の『太陽のない街』は、共同印刷争議を題材に描かれており、貧民窟での主役がころころ変わる人間の描かれ方は、まさに秀逸です。
先生は貧困のために小学校を中退され、印刷所見習いに。それから、1926年の共同印刷争議に加わり、解雇になります。この体験を元に『太陽のない街』が描かれておりますので、臨場感溢れる文章には目を見張るものがあります。
『仕事』と『人生』は切っても切り離せないものがあります。人生の大半を仕事に費やすわけですから、その中で起きるストーリーも千差万別。それは時代によっても変わるでしょうが、人間の本質は変わらない。ですから、廃れない文学と言えるでしょう。
さて、そんな徳永直先生の文学碑を訪れました。細川家のお墓がある、立田自然公園の近辺です。
私たちはもっと労働について語らなければならない。労働のもつ内容は、現在語られている多くの恋愛よりも、インテリゲンチャのある種の悩みよりも、ないしは消費生活の絢爛さよりも、はるかに豊富で、人類を益するものである。 徳永直
徳永直先生の文学碑は、落ち葉や雑草がなく、綺麗に整備されていました。近隣の方の文学碑へのご愛護を感じました。
僕も会社員として働きながら、小説を書き、本を読み漁り、四季を奔走しています。ですが、徳永直先生の言葉通り、もっともっと労働について語らなければ、と感じる師走の時期です。
花子出版 倉岡
文豪方の残された名著を汚さぬよう精進します。