⑪ 健康的な生活のためにコンビニを活用する
退院したその日に、まず行ったのは近所のコンビニだった。
体力がなく、自炊はできない、外食にも行けない。けれど健康的なものを食べないといけんないと考えると、コンビニ一択だった。レタスとハムとトマトのサンドイッチと、野菜サラダを買って食べた。
今までなら物足りなく思っていたかもしれないが、二週間近く病院食だけを口にしていたからか、感動するほど美味しかった。
退院してから、コンビニの使い方が変わった。それまでは、外出から戻る途中にコンビニがあると、「なんか物足りないな」と、お菓子やら揚げ物やら購入していて食べていた。なんとなく「お菓子は食事としてノーカウント」の気分でいたのだ。そしてアイスクリームの新製品が出ると、よく購入もしていた。別に食べたいわけでもないのに、好奇心でお菓子を買うことが癖にもなっていた。
インスタントラーメンも、セーブしていたつもりだったけれど、珍しい製品が出ると、つい購入してしまったりもした。口にすると、そんなに美味しくはないというパターンがほとんどだった。これも物珍しさ、好奇心だけだ。
退院してから、これらの「食べたいわけでもないのに、買う」ことをやめた。
アイスクリームに関しては、退院した直後、夫が購入してきてくれたハーゲンダッツのカップのアイスを食べるのに、三日かかってしまった。近年、加齢のためだろうけれど、冷たいものが段々苦手になってきて、かき氷やパフェなど大容量の冷たい甘味が駄目になってはいた。けれどハーゲンダッツは美味しくて、原稿あげるたびに「自分へご褒美」として買って食べていたのに。ハーゲンダッツは、相変わらず、美味しい。それは間違いない。でも私の身体がついていかなくなってしまった。
それから一年ちょいがすぎ、アイスクリームを全く買っていない。外食して、コース料理のデザートとして出されたもの等は食べてはいるが、自ら買って食べなくなった。まさか暑い夏に、自分がアイスクリーム無しで過ごせるなんて、思いもよらなかった。
でも、できるのだ。
コンビニとかで見かけて、美味しそうだなとは思うけれど、「どうせ全部食べられないから、買うのもったいない」と、ストップする。
お菓子については、糖分カットのチョコレート、無塩のナッツ等は、よく買うようになった。でも、それ以外のお菓子は、ほとんど買わない。
先日、ある飲み会で、ポテトチップスがあったので、一枚口にしたら、こんな味だったのか! と、なんだか懐かしく思えた。スナック菓子も、うまい棒以外は、買わなくなっていたので、新鮮だった。
飲み物に関しても、基本的に糖分を含む、甘い飲み物は口にしない。お茶と水、豆乳や牛乳だけだ。甘酒はときどき飲むけど、砂糖不使用のものだ。
そうやって嗜好品はいろいろ制限しているけれど、問題はない。というか、制限しても、いろいろ食べられるものがあることに気づいた。
ローソンには、糖分カットチョコレートや、無塩のナッツ類は豊富にあるし、お茶だって、いろんな種類があるから楽しめる。
嗜好品以外でも、コンビニのサラダチキンは種類も多くおいしいし、サラダ等の野菜を書こうした総菜もたくさんある。最近はどこでも、たんぱく質を多めにとれる食品が並んでいて、ありがたい。
昔と比べて、コンビニという、誰でもが行きやすい場所に、こうして減量のため、栄養を取るのを第一の目的とした食品が、増えた。しかも美味しい。
基本的に自炊だけど、自炊だけじゃ物足りないとき、めんどくさいとき、外食もしたくないときは、コンビニを活用する。
割高だという人もいるだろうけれど、100%自炊の生活は、私には無理だ。義務や強制になってしまうと、家事は苦痛にしかならない。
それにどっちみち、「別に食べたくはないけれど、物珍しさに。あるいは何か物足りなくて」お菓子等を購入するのをやめてから、支出は減っている。
無駄な買い物をしなくなったし、無駄な食べ物を口にしなくなった。
あと、揚げ物がどうしても食べたくなったとき、コンビニは便利だ。ときどきすごく食べたくなるけれど、家で油をはって自分で調理をするのはめんどうだし、油がもったいない。片栗粉やてんぷら粉も必要だ。どうせたくさんは食べられない。
ほんと一口でいいけど、どうしても食べたい際に、コンビニの揚げ物総菜は非常にありがたい。私はたまに「肉」「揚げ物」欲がほとばしった際には、セブンイレブンのささみ梅しそ揚げを買う。
ささみだからタンパク質豊富だし、それでいて「肉食べた」感あるし、酸っぱいもの好きだから、梅の満足感高いし、本当に手軽だ。
減量しているからこそ、コンビニはうまく活用すると、味方になる。