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大きな背中とガラスの心

この半年で背がぐっと伸び、ついに見下ろされるようになった。
そんな大きな体だけど、心はとっても繊細。そこは変わらない。

「いやなときは、いやって言っていいんだよ。」

「おれ、そういうの苦手なんだよ。」

・・・知ってるよ~。

自分の気持ちを相手に伝えられない。
それは、相手の気持ちを優先するから。

こんなこと言ったら相手が傷つくかな。
悲しむかな。

だから何も言わないで過ごして来た。

自分の本当の気持ちを押し殺して。自分の気持ちに気づかないふりをして。いつしか、自分の気持ちをどこかに置き忘れてしまったかのように、
日々を過ごす。

でも、心は意外と正直だ。「この気持ちを見てっ!」てサインを出してる。
私には見えるんだよね。本人が気づいていなくても。

だから、彼の代わりに言葉にして伝える。
「ちょっといやだったよね。」「あれはつらかったよね。」

目の奥に宿る悲しみの色、硬い表情、
これが今の彼の精いっぱいの負の感情の表現。

時々それが積もって仲間と悪乗りする。
そうやって、日頃のたまったものを少し出してるのかな。

翌日言う。
「昨日はつかれたなあ~」
それはそれで、無理してるんだよね。

でも、大丈夫。
大きくなった体とあなたの優しい心
あなた自身でうまく操れる時が必ず来るから。見てるからね。


大きな背中を毎日見送る。

「今日もよくがんばったね!」

もちろん、彼の名前を添える。


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