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無敵なんかじゃない

「凹むこととか、メンタル折れることとかないんですか?」

と聞かれる。


あるに決まってるわ!と内心思うけど、そう見えないみたいで……特に後輩からは、そう思われがち。


私は自分を守るために、「強くたくましく見せられるだけ見せる」という手法を取っている。自信がなさそうに弱そうに見えると、それにつけ込まれるという経験を若い頃にたくさんしてきたからだ。

培ってきたものがないのに、ただ強がっても、見破られるのは時間の問題だということもわかっている。だからこそ、「見せられるだけ見せる」ことを大切にしている。
背伸びしすぎないように、バリアを張っていると気づかれないように。
近寄りがたくするということではなく、この人には勝てないかもしれない……というオーラを纏えるだけ纏うように。
強さの周りに、しなやかさ・品格みたいなものをできる限りトッピングできるように年齢と共に努力をしている。まだまだ足りない。



私にも、凹む日もメンタル折れる日もある。自分が置かれている状況、この世界のすべてが嫌になる日もある。昔、限界を超えて心を壊した経験もある。

そんな日は、私は1人で涙が枯れるまで泣く。誰かに頼ることや弱みを見せることが苦手な私は、その解決方法しか知らない。
そしてスッキリして、まぶたに保冷剤を置き、何もなかったかのように次の日を迎える。

仕事だけではなく、恋愛でもなんでもそうやって解決してきた。数日引きずることもあるが、誰かと接してる時はあくまでも平然と、1人の時に気が済むまで泣く、を繰り返して、時間が解決するのを待つ。

時間が解決するのを待つのに疲れたら、海を見に行く。ただぼーっと海を眺めて、海風を感じて、潮の香りを感じて、大抵これでスッキリする。


いつか、心をすべてさらけ出して、気にせず泣ける相手ができるのかなぁ。それともずっとこの解決方法でいくのかなぁ。
そんなことを考える事もある。

色々1人で乗り越えてきて思うのは、私は長い時間をかけて、自分なりの乗り越え方を見つけられている。それが何より強い。


私は無敵なんかじゃない。

ただただ、日々、強くたくましく、しなやかで、品格のある人間を目指している。

それを兼ね備えられた時、本当の無敵になるのではないかと、私は思う。

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