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お金を払って喜んで人生最多うんこ拾い

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スペイン南部、国内最大級の犬の保護施設で、犬のうんこを拾いまくった体験談。スペインではある特定の犬種が毎年何万頭も飼い主から捨てられる。
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#保護犬

老人とスチューピッドな洗濯物、3本足の犬

ややこしい名前のベルギー人おじいさんと1週間一緒に過ごした。ボランティアとして同じ宿舎で寝泊まりして共同作業をした。そして私は少しばかり彼に困惑した。 背はあまり高くなく頭部に髪はない彼は80歳前後でリタイヤ生活を送っているのだろうと推測する。短パンにTシャツ、長靴姿。短パンの生地は、もうこれ以上は洗濯に耐えられません勘弁してください、と言わんばかりに破れてお尻が見えそう。 このおじいさんは込み入った名前で、私は何度聞き直しても覚えられなかった。 スペイン人スタッフは彼

デフォルト岩顔のベルギー人、選ばれない色の犬

初めて会ったベルギー人とイタリア人と一つ屋根の下で1週間寝泊まりしていました。 私は自慢ではないけど人付き合いが上手くない。社交の場は苦手だし、友達も多くない。それは日本でもそうだったし、日本の外でもそうで。 とはいえ、1週間誰かと一緒に作業しないといけないとなると、さすがの私でも、なんとか会話をしたり意思疎通しようと少しは試みる。 私はベルギー人がどんな人たちか全く知らないくらい、ベルギー人と喋ったことはなかったし、もちろんベルギーに行ったこともなかった。そして、この

海外へもらわれゆく命、永遠に減らない捨てられる命、スペインのダークサイド

スペインにある、600頭の犬が暮らす施設で、1週間寝泊まりさせてもらった。私にとっては毎日ウハウハのハーレムのような幸せな体験だったが、犬たちにとっては最も幸福といえる環境ではなかった。なぜなら、そこは虐待やネグレクトされ捨てられた犬たちの施設だからだ。 一般的に捨てられた動物の保護施設にはいろんな犬や猫がいるものだが、この施設は9割くらいが一つの犬種、スパニッシュ・グレイハウンド(スペイン語ではガルゴと言う)で、他の犬種はわずかである。同じブリードばかりいるから一見すると