見出し画像

④YOASOBIがもつ「小説×音楽×映像」の奥行き | 令和の歌物語の担い手・YOASOBIの魅力 〜YOASOBI×古典文学〜

「小説を音楽にするユニット」YOASOBI


代表曲「夜に駆ける」は、ストリーミング再生回数4億回を突破。一世を風靡するアーティストだ。

そんなYOASOBIが繰り出す「小説×歌」。

古典文学でいうところの「物語×和歌」=「歌物語」というジャンルに当て嵌めて考えることができるのでは……?

1000年前から続くヒットの法則の上にいるのが
YOASOBIなんじゃないか?!


そんな仮説のもと、「古典文学と比較したYOASOBIの新しさ、面白さについて考えてみよう!」という自己満足で構成された記事を、ここにしたためていこうと思う。

1.はじめに
2.YOASOBIにおける「歌物語」性
3.平安古典文学『伊勢物語』における、歌×物語、そして「映像」への展開
4.YOASOBIがもつ「小説×音楽×映像」の奥行き ←イマココ🏃‍♀️
5.サブスク音楽配信サービスの時代だからこその「YOASOBI」
6.まとめ
7.おわりに・おまけに

前回の記事はこちら💁🏻‍♀️



🌙物語×歌に、「映像」が加わる強さ🏃‍♀️


前回散々「うた恋い。」の話をして1人で勝手に盛り上がっていたわけだが。

「うた恋い。」の話は少し特殊な例であり、当時は少なくても現代のような「映像」という表現は「ない」と考えていいかなと思う(「ない」ことを言い切るのは非常に難しいでござる、時代が下ると落語に「千早振る」という作品はあるでござる)

とすると、YOASOBI作品と、古典文学作品における「歌物語」とが大きく異なるのは、「映像」の有無だろう。

歌と物語とを結びつけ、受け手のソウゾウを喚起して膨らませる古典文学作品「歌物語」の系譜。

さらにそこに、映像情報を「歌」「物語」に付け加えることができ、容易に再生することができるようになった。

これによって、

歌から物語を想起する
物語から歌を想起する

ここにさらに
映像から歌/物語を想起する
歌/物語から映像を想起する

という軸を増やすことが可能になった。

作品全体を「立体的」(※YOASOBIのAyaseさんによる表現)に見る奥行きが追加されたのである。

歌から、小説から、映像から、どこからでも深い鑑賞と読解の海へと泳いでいける。


🌙「歌」の分析という視点もあるぜよ🏃‍♀️

基本的にはYOASOBIは、歌→小説の順で聞いて読む人が多いと思って解釈をしていたのだが。
私の学生時代の友人に、小説→歌の順で「夜に駆ける」を聞いた人がいた。

その友人は、ピアノが弾けて音楽にも詳しいので、楽曲の分析もしながら「夜に駆ける」に込められた「死」の表現について教えてくれた。

また、こちらの分析動画もオススメしてくれて、めちゃくちゃ面白かった!こんなんあるんや!普段You Tube全然見ないから知らなかった。

お時間ある方はぜひ見てみてください!

いや〜これは!
私にはとてもできない分析だし、視点だよ!
強すぎません?歌い方の、表現の仕方まで考察できるなんて強すぎて頭おかしくなる。楽しい〜〜〜!

🌙いその!夜に駆ける鑑賞会しようぜ!🏃‍♀️


そもそも、まず私は先に「夜に駆ける」の歌の方を先に聞いていた。
その時点で、どんなにフラットな状態を心がけて小説を読んだとしても、「小説から読んだ人」ほどのフレッシュな視点は持ち得ない。

また、私には音楽や、楽曲制作についての知識はほぼない。歌のどの部分がああなってこうなって、なんて見方は到底できない。

しかし逆に私からは、「歌→小説」で読んだ場合の読解の可能性や、音楽がわかっていない素人だからこその見解や質問などを投げかけることもできるわけだ。

「奥行きのある作品」「隙間のある作品」を前にして、自分の読みをそれぞれに持って、それを話し合って、さらに考えを深めていく……そんな楽しみ方が音楽でもできるのだとワクワクしてしまった

(音楽的な観点や歌唱法については私は完全に門外漢でさっぱりだから、他の人の分析を見てウキウキするに留めますが、もっともっと広がりそうですねぇ。すごいですねぇ。YOASOBI。ワクワクドキドキ)


🌙YOASOBIのもつ「隙間」の強さ🏃‍♀️


そんなわけで。
YOASOBIには、隙間にソウゾウを広げるだけの奥行きが、魅力が、たっぷり秘められている。

そしてそれは、古くからある歌と物語との可能性、更なる「映像」という要素をもった立体性のあるYOASOBIだからこそであろう。

私たちが1000年以上前から心を躍らせていたであろうジャンル。
刷り込まれた「間違いない」組み合わせは、私たちのソウゾウ力をいくらでも掻き立ててくれるのだ。

楽しい〜〜〜!!!!!!


歌物語は、1粒で4度おいしい。

歌だけで聴くとき。
物語を読んだとき。
歌を通して物語を読み解くとき。
物語を通して歌を聴くとき。


---🌙🏃‍♀️---

続く!

第五回
サブスク音楽配信サービスの時代だからこその
「YOASOBI」はこちらから💁🏻‍♀️
https://note.com/hana_so14/n/n7c00b6449ebc


---🌙🏃‍♀️---


「小説×音楽」でまとめた記事はこちら
小説「タナトスの誘惑」を通じて読み手(私たち)がどのように楽曲「夜に駆ける」を享受するか?

「タナトスの誘惑」を読んでから「夜に駆ける」を聴くと見えてくるものが、とっても面白い。
YOASOBIがどんなふうに小説を歌にしているかにも触れています。YouTubeでMVが規制対象になった理由もわかるかと。興味のある方は是非!


令和の歌物語の担い手・YOASOBIの魅力
〜YOASOBI×古典文学〜

記事の目次予定地はこちら


---💌🕊---

猪狩はな 💙@hana_so14

画像1


いいなと思ったら応援しよう!

猪狩はな|教育ライター
いつもお読みいただきありがとうございます! いただいたサポートは、銭湯巡りで息子たちと瓶牛乳飲むときに使わせていただきます🐄♨️

この記事が参加している募集